坂本勇人・岡本和真を中心とした打線で交流戦を勝ち越す

巨人の今年の交流戦は、2019年以来の勝ち越しを決めた。

2023WBCでもレギュラーとして活躍し、巨人では4番に座る岡本和真は、打率.383  8本塁打  19打点を記録。本塁打と打点に関しては、12球団トップをマークした。

▲WBCでも活躍し、巨人でもチームを引っ張る岡本和真 写真:CTK Photo/アフロ

この岡本を中心とした打線は、交流戦最初のカードでパ・リーグで首位を走っていたロッテ投手陣を攻略し、勝ち越しを決めて幸先のいいスタートを切る。

春先は苦しんでいた坂本勇人も、交流戦では打率.305を記録し、シーズンの打率をようやく.267とした。6月16日の楽天戦では劇的なサヨナラホームランを放つなど、着実に調子を上げている。

苦手なタイプの変則投手・與座海人(埼玉西武ライオンズ)に対しては、足の上げ方を従来のように上げるのではなく、ノーステップ打法でホームランを放った。

このように、状況や相手投手によってタイミングの取り方を工夫しているのは、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平はもちろんのこと、チームメイトの岡本、ソフトバンクの柳田悠岐、オリックスの森友哉も行なっており、ハイレベルな打撃技術である。

また、坂本に関しては守備面の貢献度の高さも見受けられる。坂本の調子が上がらず、休み休みで起用されていた春先の4月16日時点では、センターラインの守備が悪かったこともあり、チームの失策数は12球団ワーストタイの8を記録していた。

しかし、坂本が試合に出続けるようになってからはチーム全体が以前よりも安定し、失策数は12球団で4位、セ・リーグでは最少を記録している。

また、丸佳浩も打率.281を記録。丸も今シーズンは怪我の影響もあり、なかなか調子が上がらなかったが、この交流戦で調子を取り戻してきた。

6月を見ても、月間成績は打率.305  5本塁打 9打点を記録しており、復調の兆しを見せている。

原辰徳監督の第三政権では、岡本・坂本・丸の3選手はスペシャルな存在のため、これらの選手が同じ時期に打ち出していくと、チームは一気に乗っていく。その結果、交流戦では苦手のソフトバンクやパ・リーグで首位争いをしているオリックスにも勝ち越しをして、いい状態で交流戦を戦えたのではないだろうか。