21歳、期待の若手俳優・平川結月。2023年3月から放送中のスーパー戦隊シリーズ『王様戦隊キングオージャー』(テレビ朝日系)に、パピヨンオージャー / リタ・カニスカ役で出演中。同作では氷雪の国「ゴッカン」の国王兼、国際裁判長という役どころで、表情は少なくクールなキャラクター。だが一人、部屋に入ると大好きなぬいぐるみとお喋りしていたり、奇声を上げたり……、といったギャップのある一面が見る人を“沼”らせている。そんなリタを演じる平川に、演じるうえでのこだわりやキャスト陣との仲について話を聞いた。
映像を見たらとても壮大で圧倒されました
――平川さん演じるリタ・カニスカは、氷雪の国「ゴッカン」の国王であり国際裁判長でもあるという役どころ。どのように役作りしていったのでしょうか。
平川 クランクインする前に、監督と個別で本読みをさせてもらって、そのときに「リタってどういう人だと思う?」といったふうに意見交換のような感じで監督と一緒に話し合いました。自分でも事前にリタというキャラクターについて深堀りはしていったのですが、現場に入ってから周りとの兼ね合いのなかで探りながら固めていきました。
――声や喋り方についてはいかがですか。
平川 もともと地声が低いということもあるのですが、裁判長という役なので声や言葉に説得力があるほうがいいなと思っていて。威圧感のようなものを声で表現するのがいいなと、現場に入る前から考えていました。
――衣装と髪型でほぼ片目しか見えていない状態ですが、そう決まったときの戸惑いなどはありましたか。
平川 事前に監督から「片目を隠したい」というのは聞いていたので、特に戸惑いなどはなかったです。衣装とは別にヘアメイク合わせもあったのですが、そのときにいろいろな髪型をやってみて「どうなるんだろう?」と最初は思ったのですが、最終的に今の片目を隠す状態に落ち着きました。
――演じるうえでの難しさはありますか。
平川 そうですね。最初はやはり、見えている左目だけで感情を伝えることの難しさを感じていました。目を少し細めてみたり、あごを引いてみたりと、いろいろ試行錯誤してみたのですが、だんだん限界を感じてきて。監督に相談したら「左目だけでお芝居しようとしなくていい。心をちゃんと動かして感じ取れば、勝手に表に出るから」と言われて。そこからは変に構えずにカメラの前に立てるようになったのでは、と思います。
――第5話「冬の王来たる」では、リタがぬいぐるみの“もっふん”と1人で喋っているシーンが放送され、想像以上に魅力的なキャラクターということがわかり、さらに注目度が増したように感じました。
平川 あの回が放送されるまで「見ている皆さんにどう映るんだろう……」という不安があって。4話までのリタとはまた違った一面だったので、どういうふうに受け入れてもらえるのかな、という気持ちはありました。放送後は多くの方から「良かったよ」と言っていただき、「かわいく見えていたらいいな」と思いました。
――ますますリタというキャラクターに興味が沸いたシーンになったと思います。もっふんと喋る1人2役の場面は、監督からこうして欲しいといったリクエストなどはありましたか。
平川 最初はもっとかわいいに振り切る予定で、今と真逆にする予定だったんです。ですが、撮影の前日に監督がいらっしゃって「とりあえずカッコつけて。ナルシストっぽくやって」と。なので、足を組んだり、目線の配り方などでキザというか気取ってるくらい大袈裟に演じる形になりました。
――リタの甘々バージョンも見てみたかったです(笑)。さて『キングオージャー』では、ほぼ全編を通してCGが使われており、かなり作りこまれた“異世界ファンタジー”の世界観が話題を呼んでいます。
平川 クランクインする前に、“こういう世界観になります”というのは絵で見せてもらっていたのですが、実際に撮影が始まるまでは全然想像ができなくて。衣装や個々のキャラクターが本当に個性的なので、その世界に溶け込めるのかなと不安だったのですが、合成された映像を見たときには、とても壮大で圧倒されました。
――CGの撮影の仕方も従来のグリーンバックに加えて、LEDウォールという巨大なLEDパネルにCGを表示しながら撮影するという、画期的な方法を導入しているとか。
平川 実際にCGが表示されているところでお芝居できるので、モニターチェックに行ったら撮影したシーンとCGが合わさっていて、すぐに見られるようになっています。ですが、最初はコツを掴むのが難しくて「あそこに道があって、ここから人が来る」のような映像を頭の中でイメージするのが大変でした。今は物の配置などを覚えたので慣れてきましたね。