王国「10番」の重みを感じさせない軽やかなネイマール

そんなブラジル戦のチケットを運良く手に入れた僕は、ブラジル対メキシコの会場であるフォルタレーザに夜行バスで向かいました。

「ブラジル戦のチケットを持っているなんて知られたら危険だ!」

なんて、日本にいるときから聞かされていましたし、不用意に手に持ってたらスられると、ブラジル人からも注意をされていましたが、スタジアム行きのバスから見える景色は予想していたものではありませんでした。

スラムの、おそらく裕福ではない家族が、子どもたちが、おばあさんが、ブラジル戦を観に行く僕たちに向かってブラジル国旗を全力で振って笑顔で見送っているのです。

「僕らの代わりにブラジルを応援してきてくれよ!!」

そんなみんなの情熱が伝わってきます。

いろんな人種がいるブラジル代表メンバーと違い、スタジアムの観客は白人の比率が多く、それに少しモヤモヤもしたのですが、選手たちがスラムに暮らすアフリカ系だったり、褐色の肌をした子どもたちにも夢を与えていると感じることができた道中でした。

▲ブラジルの子どもたちと記念撮影

そして、スタジアムへ。

そこで目にしたのは、数万人の10番のシャツを着たブラジル人の前で、重圧なんかないかのように、子どものように楽しそうにプレーするネイマールの姿です。

▲会場で叫ぶすがや

僕はその姿を見てたまらなくかっこよく思えたのです。

ネイマールといえば大袈裟に痛がったり、相手を挑発したり、悪ガキのような印象が強いと思いますが、これだけのプレッシャーのなかで、悪ガキをしていることに僕は衝撃を受けました。

結局、ブラジルW杯では背後からのタックルで大怪我をして、ショッキングな姿で大会をあとにしたネイマール。

ロシアW杯ではスコアレスに終わった初戦に続き、コスタリカの堅守に手を焼いた2試合目、アディショナルタイムに勝ち越して勝利すると、ピッチ上では安堵の涙を流すネイマールの姿がありました。

そして、本人が最後という想いで挑んだカタールW杯では、スーパーゴールを決めたあとにPK戦に敗れ、悔し涙を流しました。

僕としては、もう一度W杯で、今度は歓喜の涙を流すネイマールが見たいのです。

どこのリーグでプレーしていても、唯一見ることができるのが、代表のユニフォームを着ている姿なのですから。ファンとして期待させてください!!

あ、その前にACLで浦和レッズと対戦したら大ブーイングで迎えますけど、あなた、そんなの動じないんでしょ?

子どものように軽やかに埼スタを舞うプレー楽しみにしてます。

▲ブラジルW杯は楽しい思い出ばかり

次回の『カカロニ・すがやの“熱”Football Watch!』は、9月4日(月)更新予定です。お楽しみに!!


プロフィール
 
カカロニ・すがや
1991年3月5日生まれ。O型。東京都出身。2016年、現在の相方である栗谷とカカロニを結成。グレープカンパニー所属のお笑いコンビとして活動中。趣味はサッカー(サッカー歴15年・ブラジル・ロシア・カタールW杯を現地観戦)、深夜ラジオ(元ハガキ職人)。特技はサッカーとくりぃむしちゅー上田さんの例えツッコミを暗記すること。Twitter:@sugayazinho instagram:sugayazinho