輝かしすぎる才能や経歴があっても後悔はついてくる
そんなタツヤは、筋トレしなくてもフィジカルが圧倒的に強く、練習しなくてもボールタッチが柔らかいという、僕の歴代のチームメートのなかで最も天賦の才を持った人間でした。大学で僕の後輩になったあと、僕の影響でももクロ(ももいろクローバーZ)にどハマりし、最後はサッカー部を休んでZepp東京に行くようになってしまい、部活を辞めました。
みんなが関東2部昇格を目指して必死に戦うなかで、1人だけ5人の女の子とアリーナとか東京ドームを目指していました。
今思えば、タツヤだけ夢を叶えてるな。
キャプテンが休んだ日に、圧倒的なフィジカルで後輩と僕をビビらせて、円陣のコールを
「出席取ります! アーユーレディ番号!」
と、ももクロインスパイアの円陣にするという、体育会とは思えないノリをしだしたあたりで気づいて止めるべきでしたね。
それがももクロをサッカー部に伝来させてしまった僕が、芸人になる前にできた最後のチームへの貢献だったのかもしれません。
まあタツヤはサッカーに対しての熱量はそんなにあるタイプではなかったので、僕も麻雀を教わったり、夜な夜なラウワン(ラウンドワン)やカラオケに行ったりしましたが、久しぶりに連絡を取ったタツヤが今になって思うのは「あのとき、がんばっとけばよかったな」とか「すがやさんみたいに、ちゃんとやりたいことやっとけばよかったな」とか、そんなことだそうです。
タツヤはサッカー部で一番面白いやつで、だらしなくなければ僕は相方に誘おうと思っていたんです。タツヤが入ってきて、サッカー部のサッカー以外の面がすごく楽しくなったので。
タツヤの後悔がお笑いのことなのかサッカーのことなのかわからないですが、僕からすれば輝かしすぎる才能や経歴があっても、あんなにいろいろな遊びを教えてくれたなんでもできるやつでも、後悔はするもんなんだなぁと、仮で決まってた香川県での営業の仕事が流れた夜に思うのでした。