HELLO!風の時代に舞い降りました。風野又二朗です。
今、2、3作品同時に作り始めているのですが。いつも考える時は決まって、何に軸足を置くのか考えます。
それは時代とか、場所とか、登場人物たちが置かれた環境であるとか。そういったところに、目を向けます。
最近は改めて、昭和という時代に目を向けて、資料や時代背景を整理しているんですけど。昭和は、日本の時代の中でもかなり長い期間ありますよね。
厳密に言うと、戦後。高度経済成長の時代です。活気があって、技術や文化が爆速で出来上がっていった時期なのかなあと思ってます。
その中で、エンターテイメントに目を向けると、やはり映画の時代だったのかなあと思います。
銀幕スターと言われる人たちがたくさん誕生したのもこの時代です。その当時の銀幕スターたちのスケジュールを聞くと、尋常じゃないんですよね。
年間、何本映画作ったんですか?寝てましたか?と聞きたくなるぐらいの本数で。つまり、それぐらい需要があったと言う事なんですけど。
その時代に生きたスターたちの生き様も、聞くと面白いエピソードがたくさんあるんですよ。
ある俳優さん、銀幕スターが、後輩たちを連れて、超高級なお寿司屋さんに行った時のこと。
そのスターが、一口食べるなり。「なんだこの寿司は、まずいな」と言ったらしいんです。
すると、大将が少し不機嫌になりながらも、そのスターに気を使いながら次のお寿司を握る。また、そのスターは「まずい」と言う。
最初は、苦笑いを浮かべていた大将が、ついに「黙って聞いていれば。いくらあなただからって、いい加減にしろよ!」って怒鳴って怒ったそうなんですよ。
そうするとそのスターが、「お前ら、見たか?これが、怒るという事なんだよ」と、後輩たちに言ったらしいです。
そうやって、芝居を教えていたという話があるんですけど、本当?って感じで。直接見た人から聞いた訳ではないんで、話に尾ひれ背ひれが付いて、かなり泳いでから僕のところに届いているので、ゆがんだところもあるとは思うんですけど。
また、そのスターがある日、銀座で飲んでいて。その場で後輩の話になって、あいつどこにいるんだ、呼ぼう!ってなって電話したら、京都の撮影所にいたらしいんですよ。
電話っていっても、携帯ないですからね。固定電話ですから。撮影所なのか、宿泊していたホテルなのか、どこかに電話して、今から銀座に来い!って言ったらしいんですね。
とはいえ、新幹線が走っている時間じゃなかったので、タクシーで行ったらしいです。
それで、銀座で飲んで、次の日、始発で京都に戻って撮影したらしいんですけど。そのスターからの呼び出しだから、しょうがないって言って、撮影開始時間を遅らせたらしいです。
これも、どこまで本当か分かりません。でも、似たようなことはあったんだと思います。冷静に考えると、タクシー乗ってる時、どんな気持ちだったんでしょうかね。
携帯ないし、東京着いて、本当にまだその店にいるのか分からないし。いや、すごい時代ですよね。本当だったとしたら。
僕らの世代は、そんな破天荒なエピソードはなかったんですけど、どこかその先輩たちの伝説を語る人たちが残っていて。それを伝える人が多かったように思います。
そんなんじゃだめだ。そんな普通ではダメだ。今、思えば、ただ偉そうにしたかっただけの先輩もたくさんいましたが、まだ、そういう時代を継承したい人たちがいました。
でもその時は、そういうエピソードを聞くと、そうか、そういうものなのか。と思ったりもしたんですけどね。今、すごく思うのはですね。
別に今はいらない。その人にとって、それが必要ないならいらない。自分に合わなければ、やらなくていい。そう思います。
あの時代は、よくも悪くも、情報伝達ツールが少なく、成功例も失敗例も聞こえてくる数はとても少なかったです。比べる情報もないので、選択肢がなかった。
良かった点でいうと、成功例も太くしっかりと伝わったてきた点はありましたが。
今は、しっかりと、情報が溢れていますよね。逆にありすぎて、信じるものが分からないかもしれませんが。
僕がこの時代に感じるのは、今この時代で活躍している人たちから感じるのは、破天荒さではなく、誠実さです。
もちろん、昭和のスターたちがどれだけ優しかったか、人間力があったか、厳しくする人へのフォローもたくさん聞いています。おそらく、お寿司屋さんで大将を怒らせたスターも、そこからずっとそのお店には通っていたと聞きましたし、仲も良いんだと思います。
ただ、この令和の時代。風の時代は、絶対に『誠実さ』です。
それは、しっかりと見えるカタチで、口に出して、態度に出して、表した方が良いと思います。昭和が語られる時に、見えてこなかったものが、調べていく中ではっきりと分かりました。
誠実は、周りを幸せにするし。周りがあなたを信じるし。誠実で強固な関係を築くことが、風の時代に必要なことだと思いました。
頑張ります!
それでは、また、風のふく日に。