信念・計画・勉強・実行というプロセスが成功の秘訣
新保 ご謙遜されていますが、本当に加藤代表は時代の改革者だと思います。ただ、やはり変わるというか、変革は時にリスクや痛みももたらします。そこに恐れはありませんか?
加藤 そうですね、たしかに大変なことではあります。ただ、やっていかなければ生き残っていけません。たとえば老舗料亭さんでは今でも予約が取れないところもありますし、一方で朽ち果てていくところもあります。そこの違いはやはり“変革”ではないでしょうか。
新保 ありがとうございます。今日は貴重なお話が伺えました。ちなみにこの『NewsCrunch』というサイトは、ビジネスマンはもちろん、これから社会に出る若い方たちも見ると思うのですが、ぜひ代表から「こういう気持ちで社会に出てほしい」という、アドバイスも伺えたらと思います。
加藤 最初から辛らつな意見になりますが、やはり「最初から諦めている人」が多いように感じます。若い人たちがよく言う言葉に「なれっこない」「仕方ない」がありますが、それでは日本も良くなりませんので、やはり強い信念を持ってほしいです。そして何よりも、自分の思いや夢を具体的に計画することが大切ではないでしょうか。「夢に日付を」。
これは日本を代表するある経営者のお言葉ですが、これは私も同感でして、「自分がどうなりたいか」だけではなく、「いつやるんだ」ということを明快にしなければ、夢はかないません。ですから、私は料理人によく「将来、どうなりたい?」と聞きます。するとほとんどの若手のメンバーは「自分で店を持ちたい」と言います。続けて「いつやるんだ?」と聞くと、「40代ぐらいです」と返してきますが、私は「それでは駄目だよ、いつかと言いなさい」と必ずアドバイスをするのです。
新保 店を持つなんて夢のままで終わってしまうよ、ということでしょうか。
加藤 そうです、普通でしたら店を持てるなんて夢の夢です。でも、絶対にできるのです。しっかり目標と夢に日付を持てばできるのです。そして、自分がそれを計画したときに、己がわかるものです。何がわかるかというと「自分の足らない」ところです。たくさんあるものですよ。いざお店を開くというときに、金融機関のこと、人材のこと、法律のこと、不動産のこと、デザインのこと、食材の流通のこともわからないとできません。
夢を抱いたときに、そういう自分の至らなさや愚かさがわかります。そこで諦めるのはでなく、それをどう勉強していくかということを計画すればいいのです。一見難しそうな法律だって、勉強していけばかならず身に付きます。そうすれば成功率がぐっと上がっていきます。信念、計画、勉強、実行というプロセスこそが成功の秘訣だと私は思います。