日本の将来を担う若い人こそ自己投資を!


新保 夢を単なる夢で終わらせないためには、自分のこともあらためてしっかりと見つめ直す、つまり己を知るというところが大事なんですね。あともうひとつだけ若い方に向けてアドバイスがほしいのですが、今の若い人たち、私もそうでしたが、どうしても料金が安いほう、安いほうを探そうとしますよね。でも、若いときこそ多少は背伸びというか、自分が知らない環境を知ることは財産になるという思いもありまして。例えば六本木の1Fでお食事するのもいいですが、2Fには個室があると聞いています。そこを利用することで違う景色といいますかビジネスシーンがみえてくるのではないかと思います。

加藤 なるほど。遊びに限ったことではありませんが、やはりいろいろな体験はするべきだと思います。たしかに、お金の掛かることですから大変なのですが、これも私は夢を叶えるための大切な計画だと思っています

新保 そこもやはり計画の一環なのですね。

加藤 はい。私たちの仕事に置き換えますと、ラグジュアリーゾーンを展開していくには、ラグジュアリーの体験がなければ難しいと思います。料理でも、例えばミシュランで星をもらったレストランに行ったことがあるか否か……これも行ったことがなければ難しいでしょう。でも、そのお金がないのだったら、「そこのランチタイムに行ってみたらどう?」とグループの若い人たちには提案をします。あと、私は「ホテルのロビーに行きなさい」、そして、「2000円だけ使いなさい」とアドバイスをします。彼らからすると「コーヒー1杯で2000円は高いです」と言うのですが、2000円の投資をしなさい」という言葉に置き換えると、それだけで彼ら彼女らの受け取り方は変わってきます。さらに、「そこに3時間いなさい」と言うのですが、それはなぜか。周りを見ているだけで、どんなお客さまが来るか、ホテルマンが玄関でどういうサービスをしているかがわかるからです。

新保 それは深いですね。たしかに2000円なら若い方でも背伸びできる範囲だと思います。

加藤 そして、勇気があるのだったら、「今度、必ずお金を貯めてここに泊まりたいんです。お部屋を見せていただけませんかと頼んでみなさい」とアドバイスをします。「誠意を持って言うと、必ず見せてくれますよ」とも言います。これはホテル業界の習わしですけれど、要するにお金の使い方です。居酒屋へ行って5000円でみんなと楽しむのもいいけれど、時には5000円のランチに行くことで学びもある――これもひとつの計画です。

新保 そうですよね。宿泊も同じだと思います。ビジネスホテルはもちろん便利ですけれど、時には違う世界を知る、あるいは違うことを経験することは、自分の経験を伸ばすことにもなるし、自己の成長にもつながりますよね。少しずつお金を貯めて『ふふ』に泊まるのも自己投資ですよね。

加藤 将来の日本を担う若い人材に、そう思っていただけると嬉しいですね(ニコリ)。

新保 今日は貴重なお話をありがとうございました!

<取材後記>
時代のニーズを捉えながら「自分にしかできないこと」という夢を持ち、そこに期限を設けて確実に実現される加藤代表。叶えるためのブレない芯の強さを感じつつも、多くの方が信頼を寄せる意味が分かる温かい受け答えに、私もどんどん質問をさせていただきました。改めて、今後の自分がやるべきこと、やってみたいことについて明確にすることで、さらに深く楽しい人生を私自身も作って行ける気がしています。(新保友映)

 『フリーアナウンサー・新保友映の「あの経営者に会いたい!」』は次回4/30(木)更新予定です、お楽しみに。 

[聞き手]
新保友映(しんぼ ともえ)
フリーアナウンサー。山口県岩国市出身。青山学院大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。『ニッポン放送ショウアップナイター』『板東英二のバンバンストライク』などでプロ野球の現場取材などを長く担当。その他『オールナイトニッポンGOLD』『高嶋ひでたけのあさラジ!』『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』『三宅裕司サンデーハッピーパラダイス』などニッポン放送の看板番組を務める。2018年6月よりフリーアナウンサーとして活動を開始。プロ野球の取材・コラム執筆、経営者のインタビュー、イベントの司会など、幅広く活躍している。
所属:B-creative agency (http://bca-inc.jp/)
出演:『大石久和のラジオ国土学入門』(ニッポン放送) https://www.1242.com/kokudogaku/

〇大石久和のラジオ国土学入門