ギャル全盛期の時代に日本に来たかった(笑)
――アメリカ人のナタリアさんから見て、ギャルの魅力はどこにあると思いますか?
ナタリア そもそも私がギャルを好きになったのは、派手なファッションだけではなく、自由な考え方が好きという理由が大きくて。私はヤマンバが大好きだけど、そのまんまマネをすることはないですし、普通のギャルが着ているようなファッションもしていません。明るくて自由に表現しているという精神が魅力なんだと思います。
――アメリカでは周りの友達とグループを組んで、ギャルサークルもやられていたとか。
ナタリア そうですね(笑)。無理やりギャルメイクをさせて、パラパラも踊っていました。みんなあまり興味はなかったけど、なんとなくやってくれていたと思います。
――今はギャルが少ないですが、ナタリアさんはギャル文化を日本でまた流行らせたいという思いはありますか?
ナタリア めっちゃあります。ギャル全盛期の時代に日本に来たかった(笑)。実際に来てみて、子どもの頃に憧れていたファッションをほとんど見られなくて、ちょっとぴえんですけど、また流行ってきたらうれしいなと思います。でも、外国人だからそんなパワーが自分にあるかなと思っていて。周りにたくさんギャルがいるんで、みんなで頑張っていきたいです。
――音楽活動についても聞かせてください。もともとアーティストになりたかったのでしょうか。
ナタリア 高校の頃はアイドルをやりたくて、アメリカでアニメコンベンションとかライブをやったりはしていました。なによりも人前に立ってライブするのが好きなので、音楽を自分で書けるようになると、楽しくなってくるんです。
でも、日本のアイドルって純粋じゃないとダメという変な!? ルールがあるじゃないですか。私はアイドルは好きだけど、さっき言ったようにギャルの自由な精神が好きなので、自分はアイドルに向いていない。なので、カワイイボーカルをハード系のビートと組み合わせていました。
影響を受けた日本のアイドルはモーニング娘。
――どんなアイドルが好きだったんですか?
ナタリア ハロプロがめっちゃ好きでした。モーニング娘。の辻希美さんが好きでハマっていて。でも、恋愛禁止のような厳しいルールが自分には無理だなと思って、諦めていましたけど。
――ナタリアさんが言っていた自由とはかけ離れていますもんね。アイドル以外で影響を受けたアーティストを教えてください。
ナタリア この質問は難しいですね(笑)。アメリカのアンダーグラウンドで活動しているラッパーが好きですし、最近だとアメリカで活動しているリル・ピープが好きで影響を受けました。ロックとヒップホップをミックスした音楽を作っているんですけど、そのスタンスが好きで。
日本のアーティストでいうと、PUFFYかな。アメリカでもPUFFYが主題歌のアニメをやっていて、それで好きになりました。あと西野カナも大好きで、西野カナの歌をYouTubeで見て日本語勉強しました。
――アーティスト活動に対して反響はありますか?
ナタリア Instagramとかでも「曲めっちゃ聴いてます!」とメッセージが届いたり、最近は「ナタリアなっちゃんですか?」って聞かれることが増えました。今年の3月にも日本に来てたんですけど、そんなことなかったのに……。
ここ最近は頻繁に声をかけられて、めっちゃうれしいですね。音楽活動はPiNKIIという名前でやっているんですけど、日本人には「ナタリアなっちゃんですか?」と聞かれて、日本人じゃない人からは「PiNKIIですか?」と聞かれるんです(笑)。その違いが面白いなと思います。
――ナタリアさんの髪型やファッションは目立つと思います。ピンクがお好きなんですね。
ナタリア ピンクで揃えています。もうピンクじゃないと服も物も買えない。この前もトースターを買いたくてお店に行ったら、ピンクのものがなかったら、Amazonで探して買いました。もう病気みたいですね(笑)。いつかは全部をピンクにしたいです。
よくアンチコメントで「なんでお前は、こんな歳でこんな格好してるの?」って聞かれるんですけど、私は何歳でもこの格好をしていると思います。関係ないです。だってギャルだもん。
――最後に活動を通して叶えたい目標はありますか?
ナタリア まずは、世界中の人が私の音楽を聴いてくれて感謝しています。私は女性が強くなれるような曲を作りたいと思っていて、私の曲を聴いて女性が強くなることができたらうれしい。そして、今よりも日本でギャル人口を増やしたいですね(笑)。
(取材:川崎龍也)