大阪桐蔭を春夏連覇に導いた藤浪晋太郎

次は、2007年春に常葉菊川の優勝に貢献した田中健二朗だ。

この大会は、中田翔を擁する大阪桐蔭などに勝利し、初優勝を果たす。夏もベスト4にまで勝ち上がり、旋風を巻き起こした。

横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)入団後は2015年から台頭し、2016年、2017年は60登板以上を記録し、ブルペン陣を支えた。それ以降は、勤続疲労などで低迷していたが、昨シーズンは完全復活を遂げた。

2008年春に沖縄尚学を優勝に導いた東浜巨は、プロ入り後にタイトルを獲得するなどの活躍を見せている。

高校卒業後に、亜細亜大学に進学。その後、福岡ソフトバンクホークスに入団。2017年に最多勝を獲得し、リーグ優勝と日本一に貢献した。その後も、2020年は新型コロナウイルスによる短縮シーズンながらも9勝、昨シーズンも二桁勝利を記録している。

次は、2009年春に清峰を優勝に導いた今村猛(元広島東洋カープ)だ。

プロ入り後は、主に中継ぎや抑えを担っており、2016年から2018年のリーグ優勝3連覇に大きく貢献した。特に、2017年はリーグ最多となる68試合に登板し、23セーブ、17ホールド、防御率2.38を記録。セットアッパーからクローザーまでフル回転の活躍を見せた。

東浜と同様に沖縄出身で2010年に興南を春夏連覇に導いた島袋だ。

この島袋は、斎藤と同様にプロ入り後は苦しんだ。大学時代にも怪我やイップスを経験し、大学3年以降は調子を崩したシーズンがあった。そういったこともあり、高校以降は非常に苦しい野球人生だったのではないだろうか。プロ野球選手を引退した現在は、母校である興南高校の指導者として後進の育成にあたっている。

2012年に大阪桐蔭を春夏連覇に導いた藤浪晋太郎も活躍した1人だ。

▲甲子園で圧倒的なピッチングを見せ、現在はメジャーで奮闘する藤浪晋太郎投手 写真:AP / アフロ

近年の成績を見ると、物足らなさを感じるが、阪神タイガース入団後、高卒1年目から3年連続二桁勝利や、3年目に200奪三振を記録し、最多奪三振を獲得しており、文句なしのタイトルホルダーでもある。

この藤浪が記録した221奪三振は、2016年以降セリーグでは上回る投手がいないのも含め、期待値が非常に高かった投手なのがわかる。

メジャーリーグ(オリオールズ)に挑戦した今シーズンは、開幕当初は苦しんだものの、64試合に登板した。来シーズンは、さらなる活躍が期待される。

2013年春に2年生ながらも浦和学院を優勝に導いた小島和哉(千葉ロッテマリーンズ)は、今シーズン自身2度目の二桁勝利を記録。クライマックスシリーズ出場がかかった10月10日の試合では、7回を無失点に抑える好投を見せた。

同年夏に2年生ながらも前橋育英を優勝に導いた髙橋光成(埼玉西武ライオンズ)は、今シーズンキャリアハイの活躍を見せた。防御率は2.21を記録し、リーグ2位の成績を残した。

継投策がメインでありながら、2014年春に龍谷大平安の優勝に貢献した高橋奎二は、今シーズン苦しんだものの、春先の2023WBCに出場。

昨シーズンまでの2年間は、先発ローテーションとしてヤクルトの2連覇に大きく貢献している。特に、ポストシーズンには強く、クライマックスシリーズから日本シリーズまで好投する活躍を見せた。

2015年夏に、東海大相模を優勝に導いた小笠原慎之介(中日ドラゴンズ)は、昨シーズン二桁勝利を記録した。そして、今シーズンは開幕投手を務め、中日の先発陣を引っ張った。

2016年春に智弁学園を優勝に導いた村上頌樹(阪神タイガース)は、今シーズンの新人王は当確と言っていい活躍を見せた。今シーズンは、開幕から31回連続イニング無失点を記録。3、4月の月間MVPにも輝いた。

さらに、プロ野球史上初となるプロ入り初勝利で、無四死球かつ2桁奪三振の完封を記録。その後も、先発陣の中心としてシーズンを投げ切り、防御率1.75で最優秀防御率を獲得する活躍を見せた。

また、今シーズンのWHIP0.741は、セリーグ歴代記録である。この村上の活躍もあり、阪神は18年ぶりのリーグ優勝を果たした。

2016年夏に作新学院を優勝に導いた今井達也も、今シーズンキャリアでは初の二桁勝利を記録した。規定投球回数には届かなかったものの、防御率2.33を記録し、キャリアハイと言ってもいいシーズンだったに違いない。

2017年夏に花咲徳栄を優勝に導いた清水達也は、昨シーズンから高校時代に任されていたリリーフとして、2年連続50登板を記録する活躍を見せている。

2018年春夏連覇の優勝投手である大阪桐蔭出身の根尾昂と柿木蓮は、今シーズンまで苦しんでいる場面が多いが、チームとしては成長を期待されている。

根尾と柿木に並んで活躍していた横川凱(読売ジャイアンツ)は、先発から中継ぎまでフル回転の活躍を見せた。