昨年の『M-1グランプリ』では2度目の準決勝進出を果たし、敗者復活戦では楽器を使ったネタを披露したダンビラムーチョ。このネタは視聴者だけでなく、芸人仲間からの反響も大きかったという。

独自のスタイルを確立したネタを多数持つダンビラムーチョだが、二人のネタはどのように生まれているのか。ニュースクランチのインタビューでは、コンビ結成の経緯やネタが生まれるまでの秘話、そして『M-1グランプリ2023』への意気込みなどを聞いた。

▲ダンビラムーチョ(大原優一、原田フニャオ)【WANI BOOKS-NewsCrunch-Interview】

賛否が分かれた『M-1』敗者復活戦での漫才

――昨年の『M-1』では、敗者復活戦で森山直太朗さんの『生きとし生けるものへ』を楽器を用いて歌うネタを披露し話題になりましたが、反響はいかがでしたか。

原田フニャオ(以下、原田) 視聴者の方からの反響も大きかったんですが、芸人からもいろいろ言われましたね。同期とか近い先輩が「カマしたね!」とか「やってくれると思ってたよ!」みたいに言ってくれたり。千原ジュニアさんはあれを見て、YouTubeの企画にも呼んでくれました。

〇ジュニア×ダンビラムーチョ〜M-1敗者復活ネタの裏側〜[千原ジュニアYouTube]

大原優一(以下、大原) ただ芸人のあいだでは楽器を出したことに対する賛否は分かれましたね。「めちゃくちゃええやん!」って言ってくれる人もいれば、「なんやねん、あれ」みたいな声もあって……(苦笑)。

原田 スーパーマラドーナの武智さんには「あれはいらなかったな」って言われました(笑)。

――でも、敗者復活戦の場であのネタを選んだことがすごいなと思いました。

原田 敗者復活戦の1週間前くらいから、大原が異様にあのネタをライブでかけ始めたので、“もしかしてこれをやろうとしてるの?”とは疑ってました。僕も“『M-1』で道具使うのか?”みたいな感覚だったんで。

でも、ヨネダ2000とかZAZYとかに「大原があれをやりたがってるみたいなんだよね」と言ったら、「めっちゃいいやん」「最高ですね」みたいな感じだったので、背中を押してもらいました。飛び道具系の芸人には特にハマったみたいです。

大原 2018年に1度、敗者復活戦に出たんですけど、そのときに“屋外のステージは、でかいインパクトを残さないと埋もれる”と思ったので、あのネタしかないなと。

――作戦成功ですね。

大原 そうですね。でも、順番とか雰囲気もよかったなと思います。

――お二人は普段から歌ネタをやることが多いですよね。最初に作った歌ネタって覚えてますか?

原田 NSCのときからやってました。

大原 大黒摩季さんの『ら・ら・ら』を「いい歌だよね」とか言って歌い出して、サビの「ら・ら・ら~」が、だんだん長渕剛さんみたいな歌い方になって「ぴ・ぴ・ぴ~」……。

原田 「いや、ぴーぴー言っちゃってるじゃねぇか!」みたいなネタでしたね。やってることは変わってないです(笑)。

――歌ネタはオリジナルソングとかではなく、既存の歌でやることが多いですよね。

大原 僕、歌うことっていうか曲が好きなんです。だから既存の歌を聴いてるときに、なんか思いついてネタにすることが多いので。

――ネタ中にヨーデルを歌っているのも拝見しました。歌ネタといっても幅広いなと。

大原 ヨーデルに関しては、僕の同居人がコロナになっちゃって、10日間自宅で療養しないといけなくなったことがあったんですけど、そのときに『アメリカズ・ゴット・タレント』でウクライナの少女がヨーデルを披露する動画にめっちゃハマってて、その10日間で“ヨーデルをマスターしたいな”と思ってやりまくってたんですよ。そのあとに、これなんかネタにもできそうだと思って。完全にその少女の影響です。

原田 「ヨーデルを身につけた」って言われたときは、“ヨーデルを身につけるとかあるん?”とは思いましたけど(笑)。なんとなく設定を入れてやってみたら、おもしろかったんで。