どうやってギラギラしたらいいのかわからない

――お二人の代名詞には野球ネタもありますね。

大原 そうですね。学生時代、二人とも野球をやっていて。歌もそうですけど、僕は好きなものでしかネタが作れないんで。

原田 これもNSCのときからですね。そのとき、セス・グライシンガーっていう選手が巨人にいたんですけど、大原が“グライシンガーソングライター”っていう、グライシンガーがギターを持ったキャラになって、入院している子どもに勇気を与えに来るみたいなネタをやってましたね(笑)。10年前くらいにYouTubeを始めたんですけど、本格的に野球で何かっていうのは、そこからですね。

――かなり早くからYouTubeを始めていたことに驚きました。

大原 吉本がYouTubeに参入するときに始めました。でも、僕らから「やろう」って言い始めた感じじゃなくて、同期の作家が「大原だけでプロ野球選手のモノマネのチャンネルをやろう」と言ってくれて始めたんです。

だから、最初は僕がひとりで選手のモノマネをやりまくってたんですけど、コメント欄とかに「似てねえよ」とかいろいろ書かれて、気が滅入っちゃったので。それだったら“野球部あるある”とかをコンビでやっていこうかなと。

原田 コンビの動画も、最初は代々木公園とかで撮ってたので、普通にうしろに人が映ってたりします。お金になるとも思ってなくて、なんとなくやってましたね。

大原 今もそのときの感覚のままやってる感じです。

原田 今のYouTubeって、めっちゃお金を稼げるみたいな認識ですけど、当時はお金になるとかっていう発想がなかったので、ただただ趣味でYouTubeにあげようって感じでした。でも、なんとなくやってたら登録者数が伸びて、お金になるんだと思ったのは始めて5年目くらいですね。

大原 でも、今もそんなに仕事って感じはないです。

原田 たしかに、平気で2か月休んだりするし。だから続けられてるのかもしれないですね。良い意味でどうでもいいというか(笑)。

大原 本当にこのまま現状維持で、大きくもしたくないですし。その場で思いついたやつをやる、ということしか考えてないです。

原田 きっかけを与えてくれた作家は「ロケやろうよ」とか、いろんな案をくれるんですけど、僕らは「まあまあまあ」みたいな(笑)。ちょっとでも労力がかかると、やる気がなくなりそうで怖いんですよ。だったら楽しく、今のままやり続けたほうがいいかなって。

――そのスタンスはYouTubeに対してだけですか?

原田 いや、すべてそうかもしれないです(笑)。同期のゆにばーすとかが賞レースに全てを賭けてやってるのとかを見てたりすると、そういうのも必要なのかなと思う時期はあったんですけど、僕らがそういうがんばり方してもムダかなって。

大原 そもそも、どうやってギラギラしたらいいかわかんないんですよ。やってやるぞ!ってなったからといって、それでおもしろいネタができるわけじゃないじゃないですか。だからいいかなって。

▲どうやってギラギラすればいいかわからないと語ってくれた大原

最悪だった2020年『M-1』の思い出

――これまでの道のりで焦ったり、やめたいと思った時期はなかったですか?

原田 いま振り返ってみると、バイトやってたときとかはしんどかったなって思いますけど、そのときはそれが当たり前だったので、やめたいとか思うほどツラくはなかったですね。

強いていえば、2020年に2回戦で落ちたときですかね。そのときは最悪すぎました。その日、大原は誕生日だったし、僕はずっと付き合ってた彼女とも別れるみたいになって、史上最悪の一日でした。

大原 たしかに、あの日はしんどかったな。でも、僕、四畳半に同期3人と住んでたんですけど、電気・ガス・水道が全部止まって、レモンティーで歯を磨いたりしてたんです。まあ、そういうのも楽しかったんですけどね。

原田 本当に地獄みたいな部屋でしたよ。開けた瞬間に靴が山盛りで置いてあったり、生乾きのバスタオルが暖簾みたいにかかってたりして、とにかく臭くて。あと、こがちゃんていうハゲてるヤツがソファーで寝てたらしいんですけど、そのハゲのざらざらでソファーがボロボロになって。本当に終わり過ぎてました。

大原 終わってましたけど、楽しかったんですよ。

――お二人の出会いは大学生とのことですが、もともと芸人になりたかったんですか。

原田 絶対に芸人になりたいとは思ってなかったですね。僕はお笑いに関わる仕事につけたらいいなあ……みたいにふわっと思ってたくらい。大原もお笑いが好きだったんで、とりあえず一緒にNSC入ってみるかって、それで今にいたるって感じです。

――NSCに入ったのは大学卒業後?

大原 いや、大学3年生のときですね。それがよくなかったのかもしれないです。ダメでも戻れたんで。言ったら、ちょっと保険かけてるじゃないですか。

原田 そのあと就活すればいいし、みたいなね。

大原 そのままズルズル続いてるんで、それが僕らの熱意が弱い理由ですかね。