2015年から2020年まで、つばきファクトリーのメンバーとして活躍、2021年6月からはソロアーティストとして活動スタートした小片リサが、12月6日にセカンドシングル『映画の趣味が合うだけ/ちいさな世界』をリリース! ソロになったことで音楽への向き合い方に変化があったという彼女に、今作へのこだわり、これからの活動についてたくさん語ってもらいました。
素直に“自分の気持ち”を伝えていけたら
――ソロ活動をスタートして約2年半。この2年半は長かったですか、早かったですか?
小片 シングルだったりアルバムだったり、1年に1作はリリースをさせていただいて、それに伴っていろんな活動もさせていただいて、あっという間だなっていう感覚です。グループで活動していた頃とは違って、全部自分1人でやらなきゃいけない大変さはあるんですけど、それも楽しめているというか。今までやってこなかったことにも挑戦できるようになって、まだまだ学ぶことがあるな、と思いながら充実した日々を送っています。
――挑戦、というと?
小片 例えばレコーディングで、メロディーを正確に歌い上げるだけじゃなくて、声以外の部分、楽器の音の部分も調整したりっていう作業も一緒にさせていただいてるんです。“歌う”という部分以外もいろいろ考えて、深いところまで関われるようになりました。
――音楽に対する向き合い方が変わったんですね。グループに在籍していた頃より、小片さん個人のカラーも意識したりします?
小片 そうですね。今までは自分のことを伝える機会ってあんまりなかったのかもしれない、と1人になったことで初めて気づきました。つばきファクトリーにいた頃はサブリーダーだったので、しっかりしなきゃっていう思いがいちばん強くて、とにかくグループのカラーを前面に出せるように意識して活動していたんです。これからは応援してくださる方に、素直に“自分の気持ち”を伝えていけたらいいなって思います。
――2ndシングルについてお話をお聞きしたいと思います。まずは『映画の趣味が合うだけ』について。楽曲をもらったときはどのような印象を受けましたか?
小片 この楽曲はタイトルにもある通り、映画の趣味が合うだけの男女の絶妙な距離感を歌った楽曲です。歌詞の情景描写がはっきりとしている楽曲なので、いろんな景色を思い浮かべながら聴いて頂ける楽曲だな、と思いました。
――“渋谷”や“文化村”など、具体的な地名が出てきますもんね。
小片 そうなんです。これまでの楽曲も、聴いてくださる方に情景を思い浮かべてもらえるような歌い方というか、情景を歌に乗せるような意識で歌っていたんですけど、この楽曲については、すでに描写が歌詞になっているので、その作業がすんなり馴染みやすかったです。
――実際にレコーディングやパフォーマンスをしていくなかで、気をつけたことはあります?
小片 今までは“メロディーを正確に”ということを意識してレコーディングすることが多かったんですが、この楽曲については“セリフのように歌いたいな”って思いました。音よりも感情をメインにして伝えていきたくて、ライブでも“今日はこのフレーズを感情込めて歌ってみようかな”とか、その場の雰囲気に合わせてパフォーマンスしてみたり、いろいろ自由な考え方ができる楽曲だと思ったんです。
――特に大事に歌っているフレーズはあるんでしょうか。
小片 2番のサビの、“普通の言葉で泣いちゃう”っていう歌詞です。“泣いちゃう”って日常生活でなかなか口にしない言葉だと思ったので、だからこそちゃんと気持ちを乗せて歌いたいと思ったんです。細かいメロディーやピッチを合わせるよりは、とにかく感情を込めるよう意識してます。
――それはレコーディングの際にディレクターさんから指示を受けたんですか? それとも小片さんの解釈?
小片 最初にレコーディングした際は、完全体のような型にはまった歌い方をしてました。それを自分で聴いてみたときに、あんまり心に響いてこないな、と思って……。“泣いちゃう”っていう部分は、あえて少し崩してみたらどうでしょう、と相談させていただいて少しずつ変えていきました。
――なるほど。先ほどの“挑戦”のお話にもつながってきますね。そういった細かいこだわりも、ソロだからこそできる部分もきっとありますよね。
小片 そうですね。グループだと単純に1人あたりに与えられてるレコーディング時間も限られますし、完璧に仕上げなきゃ、みたいな感覚が先行していたので。今はいろいろと相談させていただきながら、やってみて少しずつ調整して、という作業が密にできるようになってすごく楽しいです。