スーマラが注目する芸人は?

――田中さんは、注目しているコンビとか、仲が良くて可愛がっている後輩とかいらっしゃいますか?

田中 えー、どうやろ。ヘンダーソンかなあ。あと祇園。

武智 祇園もヘンダーソンも、今年がラストイヤーなんですよ。

――今年の『M-1』も注目されているとは思いますが、武智さんから見て「このネタの作り方、見事だな」って思った方々はいらっしゃいますか?

武智 関西で僕が感心するのは、さや香とバッテリィズですかね。バッテリィズは、足元に転がっているのに誰も気づいていなかった材料を見事に拾い上げて形にして、ちゃんとした宝石になるまで磨いたなって思いました。

――さや香さんのネタも、途中でボケと正論が入れ替わる瞬間が見事ですし、仕上がっていますよね。

武智 いや、本当に横綱相撲でしたね。特に新山がパワーあるんで。パワーあるほうがツッコミに回ると、これだけパワーアップするんだって、他の漫才師も勉強になるようなことを見せてもらえたなと思いましたね。

最近は準々決勝も準決勝も配信で見られるので、購入して見ています。もちろん、できることなら現地で見たいんです。やっぱり生で見るのが一番いいですからね。ちなみに、取材を受けている今日は大阪が準々決勝なので、NGK(なんばグランド花月)に見に行こうと思っています。

――お二人がネタをやっていて、“この劇場は好きだな”と思う場所ってありますか?

武智 やりやすいのは、NGKとルミネtheよしもとですね。あと、幕張も意外とやりやすいです。

――それは劇場の感じとか雰囲気とか、声の返り方とか、そういうことを含めてなんでしょうか。

武智 声の返り方ですね。もうそれに尽きます。僕らはテンダラーさんとかみたいに滑舌いいタイプじゃないんで、すごく声の返りを気にしちゃうんですよ。NGKとルミネtheよしもとと幕張は、自分の声の返りとか、お客さんの笑いの返りがめっちゃいいんです。なので、やりやすいのはその3つですね。

――YouTubeを始められてから感じたのですが、武智さんの声ってすごくステキですよね。将来的に帯のラジオとかをやっていそうな、安定感のある声だなって。

武智 ほんまですか。年がら年中、鼻が詰まっているんですけどね。あと、滑舌も年々悪くなっています。ネタに関しても、昔みたいに大量のセリフを言うとか、そういうのがだんだん少なくなってきて。短い文章でどれだけわかりやすく伝えるかを意識した作りになっていますね。

『THE SECOND』は悔いなくやりたい

――武智さんが『M-1』好きっていうのは、YouTubeなどを見ていてもよくわかるのですが、田中さんも「武智がこんなに熱をもって語るM-1ってやっぱ面白いんだろうな」というスタンスで聞いていらっしゃるのが、すごくいいなと思っています。

田中 あー……まぁでも、僕はあんまり好きではないですね(笑)。

――そうですか(笑)。でも、お二人のコントラストがすごくいいなと思って見ています。個人的な好みなのですが、『M-1』ラストイヤーの隣人ネタがすごく好きなんです。面白すぎて逆に引かれちゃったのかなと思うくらいでした。

武智 ありがとうございます。序盤はめっちゃよかったんですけど、途中から急においてけぼりになっちゃったのが惜しかったなと思います。準決勝とかではすごいウケたんですよ。出番とか状況が違ったら、もしかしたら最後までハマり続けて終われたかもしれないですね。

〇【スーパーマラドーナ 漫才】隣人〜M-1で披露したあのネタを改良してみた!〜[スーパーマラドーナ劇場]

――本当にそんな感じのネタですよね。『M-1』の出場資格がなくなってからは、転機とか土壇場っぽいことはなかったのでしょうか?

武智 ラストイヤーが終わってから、気分に浸るとか、これからイチ漫才師として頑張っていくぞ!って覚悟を決めるとか、『M-1』がなくなった解放感を味わいたかったんですけど……ラストイヤーが終わった瞬間に、“あること”で炎上したので……。

――(笑)。

武智 『M-1』の思いにふける暇もなく、燃え続けていました……。

――今、『M-1』の出場資格があって4分ネタをやるとなったら、こういうことやりたいなと思うことってありますか。

武智 うーん……田中の狂気の部分とか、失礼なところとか、人を人とも思っていないようなところとかは、『M-1』で5回ネタをやらせてもらって伝えられたと思っていて。『M-1』に関しては、やりたいことはやれたなっていう感じです。逆に『THE SECOND』では、まだ自分らのやりたいことをやれていないので、悔いなくやりたいなと思っています。

▲『THE SECOND』では、やりたいことを悔いなくやりたい