ニョロリーニを軸に物語が進んでいきます

――博物館が会場ということで人数が制限されたので、その映像が12月28日(木)から期間限定で配信されるとのこと。見どころを教えてください。

平井 科博が好きで何回か来たことがある人も、普段とは違う使い方をしているので、見え方も全然変わるんじゃないかなと思います。展示物を利用した設定だったりもするので、想像力を広げて楽しんでもらえるんじゃないかなと。

浦井 背景にすごい展示物があってのライブというのは、もしかしたら今後ないかもしれないので、それを見ていただきたいなと思います。自分で振り返ってみても、あらためてすごい場所でできたな、と感じました。

――浦井さんのキャラクターの振り幅も面白いなと思いました。

浦井 1時間ぶっ通しでキャラクターを演じたことはないので、新鮮でしたね。

――国立科学博物館の職員の方々の反応はいかがでしたか?

平井 当日、職員の方々も何人か立ち会ってくださり、僕たちが展示物を壊さないか見てくれていたんですけど(笑)。「めちゃくちゃ面白かったです! こんな使い方あるんですね!」と言ってくださいました。

海が背景のところで吊るされている展示物があったんですけど、あんまりドタドタしすぎると危ないみたいな話をいただいていたので、そのあたりは細心の注意を払いました。お客さんも移動の際には、足音も立てないくらい慎重に動いてくださって。……なんでしょう、世界観に没頭してくれるというか、良い意味で共犯関係になってくれてました。

――お客さんが拍手でコントに参加するという場面もありましたね。

浦井 3択のやつですね。お客さんも一緒になって楽しめたらなと思いまして。ぜひ配信で見てほしいですね。

――男性ブランコさんのネタを見ていて感じたのですが、さまざまな固有名詞は出てきますが、小学生ぐらいでもわかる言葉を使っているなと。なので、お子さんも見やすいと思いました。

平井 そうかもしれないですね。みんなにわかりやすいネタを考えているので、自然とそういう形になっているのかもしれません。ちょうど年末年始の配信なので、親子で安心して見られる内容になってます。

――ネタは下見に行って考えられたのですか?

平井 下見はもちろん、僕は個人的にも足を運びました。本当はお客さんと一緒に移動しながらライブをする、という移動型をやってみたくて、本当は4フロアくらい回りたかったんです。野生動物の群れの展示があるんですけど、そこが大迫力で。でも、なかなか全フロアを借りるというのは難しくて。あとは、お客さんも移動ばかりだと集中できないかな、というのもあって2フロアになりました。

生き物にまつわる話はしたいっていうのがあって、それで誕生したのが「ニョロリーニ」。若林萌さんというアニメーターの方がデザインしてくれたんですが、すごく奇妙な生き物に仕上がっていて、ニョロリーニを軸に物語が進んでいきます。僕たち二人とも生き物が好きというところから、今回のネタ作りは始まっています。

▲ネタ制作時の話を身振りを交えて教えてくれた平井まさあき

今回のグッズの目玉はレンチキュラー定規

――浦井さんもいくつかキャラクターを演じられていましたが、すごく楽しそうな姿が印象的でした。

浦井 メインが大人の落ち着いたキャラクターだったので、別のキャラクターでは、少しはっちゃけました。キャラになるためのセット一式が売っていたので購入したんですけど、冷静になって考えると「このセット誰が買うん? いつ(この姿に)なるん?」って、おかしくなっちゃいました。

――今回のライブで“音のこだわり”は何かありましたか?

浦井 ワクサカさんのアルバイト仲間で音楽をやられている方がいて、その人にお願いしました。本業は別であるらしく、音楽もできると知られると本業の仕事が来なくなるかもしれないから、隠しているらしいです(笑)。その方のつながりで、ほかに何名か音楽を担当してくださいました。

――音楽を作ってもらう際は、お二人から世界観などを伝えて制作に入ってもらうのでしょうか?

平井 最初に「こんな感じの世界観です」というのはお伝えさせていただきますが、そのあとはお任せです。今回もほぼお任せで素晴らしいものを作ってくださいました。デモ音源を聴いて「オープニングに入るときに、ちょっと強めの1音を入れてください」と追加注文したくらいです。

――そうなんですね。世界観にすごくマッチしていたので、細かく微調整を重ねたのかと思いました。

平井 やっぱり、プロはすごいです。僕たちが最初に提示した世界観を事細かに読み取ってくれたんですよね。

――グッズの話も聞かせてください。すごく豪華ですよね。

平井 贅沢ですし、(装画を担当してくれた)網代さんの絵のハンカチはヤバイですね。素晴らしすぎます。あと、今回の目玉がレンチキュラー定規。これ、めちゃくちゃいいんですよ!……たぶん大人が使うことないでしょうけど(笑)。余談なんですけど、いまレンチキュラーを作るところがないらしいです。それが、ワクサカさんの知り合いをたどって、作れる人を見つけてくれました。なので、特注らしいんです。

――ワクサカさんがスゴイですね(笑)。

マネージャー 特注なのに、このお値段(2,090円 / 税込)は破格です!

浦井 小学生のお子さんの筆箱に入っていたらうれしいですね。