野田とふたりで先輩芸人に怒られた日

そういや、こういうエピソードもありました。

私の相方・かわさんが、当時の先輩芸人のファンにちょっかいを出したとかで、何故か、私と野田が呼び出されて何時間も立たされた事がありました。

野田がずっと、耳元で「僕、絶対関係ないでしょ」と言ってたのを覚えています。

それくらい一緒に居ました。

私はB’zの大ファンで毎年ツアーのコンサートに行っていたのですが、当時、仲良かった女の子にドタキャンされて、急遽、野田クリスタルを呼んだら、アイツがずっと東京ドームの最前列で、自分の家で握ってきたオニギリを食べていて、ブチ切れたこともあります。

川崎にあるチネチッタのタイスキ鍋を食べなから「将来、こういうお笑いがやりたい」「こういう番組を持ちたい」と夢を語り合った日のことも覚えています。

そのあと家に帰ったら泥棒に入られていて「お前のせいだ」と野田罵ったら、逆ギレされました。

それを今も変わらず話せる関係、幸せな話です。

▲実はB’zの大ファンです。

お互い好き勝手なお笑いをやり、今の相方・村上に出逢い、「コイツとマヂカルラブリーをやります。村上もライブに出させて下さい」と紹介された時、覚悟決まったんだなと思いました。

そのあと吉本入ってからも、決して順風満帆では無かったとは思います。

無限大の空気に馴染めず、M-1も一旦終わり、マヂカルラブリーが苦戦していた時代がありました。

その時、野田クリスタルは、私の相方・かわさんに電話をしていました。

野田「モダンさんは今でも会議室でお笑いやってますよね。何年かしたらまた僕も混ぜて貰って、3人でやりませんか?」

川崎「おう、やろう」

それから大宮に行って、通常の吉本ではない、大宮吉本のノリを作り上げていきました。

私には、それが地下のノリのように見えました。

そこからまた、マヂカルラブリーは息を吹き返しました。

 

 

2023年、マヂカルラブリーは『キングオブコント』に参加していました。

勿論、我々モダンタイムスも。

お笑い三冠王を目指していた野田クリスタル。

『M-1』『R-1』『キングオブコント』の優勝が条件。

これを達成したらとんでもない。まさに「お笑い王」。

末恐ろしい弟子であります。

その夢、師匠として立ちはだかりたい。

これは私の数ある夢の1つです。

師匠を倒さないとお笑い三冠王になれない――。

ドラマとしても最高です。

とりあえず2023年は、2組とも『キングオブコント』準々決勝で散りましたので、夢は来年までお預け。

 

 

マヂカルラブリーが今の地位に登り詰めるまでのあいだ。

そのあいだ、ずっと。

「友達」が俺らの名前を出してくれていました。

完全に売れる前から、ずっと。

マヂカルラブリーに限らず、アルコ&ピースとランジャタイも、ずっと。

我々は彼らにどんな恩返しが出来るのだろう。

ただただ当時、一緒に売れなかった友達。

一緒にやってきた仲間。

いつも、モダンタイムスだけ、どうにもなってない。

それを何とかしようとしてくれてる。

我々に出来る事は、変わらず辞めずに「友達、いつもありがとう」と言うだけ。

逆にこれだけは出来る。 

だから

「どうか皆様、友達だけは大切にして下さい」。


プロフィール
 
モダンタイムス としみつ
芸人、1978年10月29日生まれ、青森県弘前市出身。2001年に川崎誠と「としかわ」を結成。2005年SMA所属に伴い「モダンタイムス」となる。2021年 所属事務所から「君たちのマネジメントはできない」と言われ、フリー芸人に戻る。地下芸人の代名詞としてよく名前を出される存在となる。X(旧Twitter):@toshimitsu1029