「対日本戦略」を施したベトナムが日本を脅かす

現在、カタールではアジアカップ2023が開催されています。

僕は前回のUAE開催のアジアカップは準決勝、決勝と観戦しましたが、今回はお仕事があったり、また正直に言って「なにが悲しくて貧乏人が必死こいて貯めた預金残高18万で、アラブばっかり行かなあかんねん!」という旅好きとしてのストレスもあり、現地参戦予定はありません。

  • アジアカップ2019→UAE
  • 2022ワールドカップ→カタール
  • 2023クラブW杯→サウジアラビア
  • アジアカップ2024→カタール

……お酒が飲めない国はもういいわ!!!(イスラム圏の国でお酒を飲むのは、とても大変なのです)

カタールに至っては、もう観光名所も一通り見てんのよ!!! もうアジアカップはスペインでやってくれ!(暴論) それか南米!! 俺はサッカーだけじゃなくて、「非日常」を味わいたいんだ!! ドーハは都会すぎて、東京とあんまり変わらん!!

▲現地に行く際はサッカーだけでなく「非日常」も楽しむ (写真:本人提供)
▲ラクダと間近で触れ合う (写真:本人提供)

とか言って、ABEMAの競輪番組でめちゃくちゃな賞金を獲得できるみたいな、雲を掴むような話があれば決勝だけ見に行く可能性もあるけど。なんせ、日本代表がタイトルを取る瞬間を、この目で見たいですから。そしてベトナム戦が面白かったですし。

かつて日本代表を指揮した経験もあるトルシエ監督率いるベトナムは、多くの日本人の予想を大きく超えるグッドチームでした。

5バックながらも耐えるだけではなく、時折、鋭いカウンターを見せ、ゆっくりとボールを動かす技術や組織力も見せました。

日本相手にセットプレーから2ゴールを奪った前半。特に1点目はラッキーな面もありましたが、2点目は狙い通りのような形。

格上に勝つときに必ず必要な運と準備の二要素を活かした前半は、サッカーの面白さが凝縮されていました。

選手権で準優勝した近江高校(滋賀県代表)もそうでしたが、僕はアグレッシブな5バックのチームが好きみたいです。

引いたチームを崩す際の定石は、なるべく幅を取ってあいだを広げさせ、その間で受けて前を向く。その狙い通りにボランチの脇で受けようとする中盤の選手に、4バックなら絶対出られないはずのセンターバックが、ディフェンスラインを飛び出して果敢に奪いにいく。

日本代表もカタールワールドカップのスペイン戦の後半では、この形でペドリとガビを潰しにいきましたね。

前向きでボールを奪えるから、相手と入れ替わるようにそのままの勢いで前に出ていける。この瞬間こそ、見るのもやるのも大好きな僕が燃えるシチュエーションなのです。

ベトナム戦の話に戻りますが、それでも日本はさすがでした。南野拓実選手の同点ゴールは、間で受けた遠藤航選手を潰しにきた相手センターバックが一瞬遅れた隙をついて、遠藤選手は逆を見ながら股抜きパス。センターバックが飛び出して開いたわずかなスペースに、南野選手が入っていって仕留める。

前述の守り方に対する模範解答のようなゴールを決めると、中村敬斗選手のゴラッソで逆転。ただ切り込んでのカットインシュートじゃないですよ。めちゃくちゃマイナス方向に切り返して、あんな体の向きから、あの鋭いシュート。素晴らしい組織を個で粉砕しましたね。まさに強豪の勝ち越し方。