ジャージに萎縮してPK戦敗退
昨年末、大津祐樹さんと酒井宏樹選手が代表を務めるFootball Assistさんが主催した『PK最強決定戦in川崎』に後輩のバシくんこと四千頭身の石橋遼大くんと、女優の眞嶋優さんとTBSラジオから引っ張ってきた助っ人GK・イナさんの4人で出場してきました。
主催者側からご招待いただいた際は、僕以外の全員を元世代別代表で固めて、本気で優勝を目指そうかとも思いましたが、そうなると僕のメンタルがプレッシャーで押し潰されてしまうので、芸能チームでチャレンジ。
そして、芸能チーム(全員おとなしめ)の我々は、チームを盛り上げて引っ張らないといけないプレッシャーに押し潰された最年長の僕のPK失敗で、いきなり追い込まれます。
僕の失敗で安心してのびのび蹴れたという眞嶋氏が、バッジョみたいにボールを蹴っ飛ばし、最後は外したら負けという状況で、バシが完全にキーパーに読み切られて失敗という、全員が傷を舐め合える最高の敗退をしました。イナさんのスーパーセーブ、報われず。
戦犯は確実にすがやでした。
しかし、周りを見て思ったのは「これ、元世代別で固めたメンバーでも優勝は無理だったかもな……」ということ。あまりにもレベルが高いのです。
右を見ても強豪のジャージ、左を見ても強豪のジャージ。Jユースに全国常連高校。PKなんてメンタルスポーツですから、出身校のウェアで圧倒できるチームは有利ですし、僕のように呑まれる選手は向いていません。
「キーパー、(大宮)アルディージャじゃねぇかよ!!」ってリアルに隣のコートから聞こえてきましたからね。
この感じ、めちゃくちゃ懐かしかったのです。と、いうわけで今回のテーマはチームウェアです!!
強豪チームのピステを着用して気持ちは強く!
強豪チームというのは、入部(入団)すると同時に練習試合用ユニフォームのホーム&アウェー一式、ジャージ上下、ピステ上下。さらには移動着にバッグはもちろん、ウォーマー、ベンチコートまで購入するチームも珍しくありません。
そうなると、僕が行っていたような無名校と違って、ウェアをサッカーショップで購入しないのです。
これが僕にどういう影響をもたらすかと言うと、それから3年後、大学でサッカー部に入った際に、練習試合は高校時代のウェアを練習着として活用するので、アップしてるときの相手のウェアに精神的に呑まれるのです。
僕が赤羽のB&Dや船橋のセリエ、大宮のフタバで買ったウェアを着てアップしているなか、隣でアップしている強豪大学の部員は、出身校の名前が入ったジャージでアップをしているのです!
それはそれは名だたる! 名だたるなのです!!
アップ中はハリー・ポッターでの寮の組み分け帽子のシーンよろしく、
「前橋育英はいやだ! 前橋育英はいやだ! 前橋育英はいやだ!」
と祈ります。そして試合が始まった瞬間、マッチアップを見て思います。
「……青森山田かい!!!!」
青森山田もいやです!!! この時点で既に心は劣勢です。しかし僕は対策を立てました。部活をやめた友達から埼玉栄高校(僕のひとつ上の代で埼玉4冠・僕の代で全国ベスト16)のピステをもらったのです!
「さあ、ひれ伏せ無名校出身者よ!」
という顔をして、埼玉栄のピステを着てアップをする僕(東京都ベスト32。しかも補欠)。年中そのウェアをヘビロテしました。夏の暑い時期には、また別の友達にもらった大宮東高校(当時の埼玉ベスト4)のユニフォームでウォーミングアップ。
「まあ、うちはそこまで強豪ではないですけども、別に全国レベルでも萎縮はしませんよ」顔をします。おまえはなんで埼玉栄からの目線で大宮東を見てるんだよ。
……そんな感じで上手くなることより “上手く見えること”に必死だった大学生活。周りにも少なからず同じことをしてる人はいて、一個上のケースケさんは部室までの移動は、女性の目に触れるからという理由でアビスパU-18のウェアを着てました。
どこの女性が「あの人アビスパU-18なんじゃない? お近づきになりたい!」となるのだ!