ネパールの民族“グルン族”に嫁いだのが、日本語しか話せない日本人妻・グルンこのみ。ネパールの家族とはフィーリングで会話している、そう話す彼女の飾らない人柄とネパールでの日常は、YouTubeやTikTokで注目されている。
そんな彼女に、ちょっと気になる「ネパールの朝に欠かせないモノ」について教えてもらいました!
ネパール人の生活にとって「チヤ」は大事
ネパールの朝は早い。朝5時か5時半には起きて、まずは顔を洗って歯磨きしたら、マミー(お義母さん)のお祈りタイムがあり、その頃に家族みんなの「チヤ」を作ります。
「チヤ」というのは、ネパール語でお茶(主にミルクティー)のことなんですが、ネパール人は紅茶を本当によく飲むんです!
紅茶ってイギリスというイメージがある方もいると思いますが、ネパールでも朝に飲んだり、お昼に飲んだり、お客さんが来たりするときに飲んだりなど、紅茶を飲みながら会話を楽しむ習慣があるんです。
ネパールの生活にとって欠かせないものなんです! 意外でしょ? 紅茶のお供はビスケットが多いかな?
砂糖を使ってないパンっぽいクッキーみたいなものと一緒に食べたり、甘くないドーナツなんかともよく合わせてる。
紅茶に砂糖をたくさん入れるから、甘くないお菓子が合うのかな~?
茶葉も有名で、ネパールのイラム地方で作られる「イラム紅茶」という高級茶葉があるんです!
……でも私、イラム紅茶は飲んだことないんです(笑)。
ネパールの家族も「生産はするけど飲むことは少ない」と言ってた気がする。
親しみがある紅茶ではないのかな~?
ちなみに私の家は、日本でいう「日東紅茶」みたいな親しみのある安めで買いやすい紅茶を飲んでます。
日本では、紅茶のティーパックがあって、お湯を注いで出来上がり! が多いけど、ネパールでは、お湯に茶葉を入れてグツグツ煮込み、砂糖やミルク、レモンなどを入れて作るんです。
私の家ではブラックティー(ストレート)が多くて、茶葉は少なめに入れ、砂糖はスプーン2杯入れる。
かなり甘めかなと思うけど、これが意外にちょうどいいんだよね~。
じつは以前、紅茶屋さんで働いていたことがあって、紅茶を淹れるのは慣れっこなんです! ネパールに嫁いだばかりの頃、「紅茶を淹れるのは任せとけ!」って感じで調子に乗っていたら、簡単じゃなかった(笑)。
紅茶屋さんでは、紅茶の茶葉を一人分はスプーン2杯くらいで淹れてたんですが、ネパールの紅茶の淹れ方は、一人分は茶葉ふたつまみだけ。
このサジ加減が難しい……。
しかも、煮出し時間も全然違う。「任せときっ!」て言いながら、家族みんなに微妙な反応されたこともあったな~。
私が「美味しい?」って聞いたら、「うん……美味しいかな……」って(笑)。美味しくないんだろうな~って私も思っていたんですけど、みんな全部飲み干してくれて「作ってくれてありがとう」と言ってくれたのがうれしかった思い出。
そんな感じで最初は慣れなくて、みんなに気を遣わせていたんですが(笑)。今ではなんとかネパール流の紅茶の淹れ方も慣れてきました。
紅茶には砂糖を入れるネパール人ですが、料理にはどうなのか?
じつは、ネパール人は料理に砂糖を使うことを嫌がる(笑)。
なんでかわかりませんが、すっごく嫌がります。
私が日本のご飯をみんなに食べさせたいと思って、ジャガイモと鶏肉の煮物を作ってたんだけど、「作るところみたい~」って集まってきたのに砂糖入れた瞬間に「え! 砂糖入れてる……」って、あんだけ楽しみにしてたのに逃げていきました(笑)。
ネパールの料理には砂糖を使わないので抵抗があるんだそうです。
でも、作る工程を見てなかったら、みんな砂糖入りの料理も「美味しい美味しい」と喜んで食べます(笑)。
「これ砂糖入ってるよ~」って伝えるとみんな驚くけど、ペロリとなくなります。
紅茶には砂糖をいっぱい入れるけど、料理には入れない。そういう文化の違いも見れて楽しいし、紅茶から始まる朝のオシャレな感じも私は大好きです(笑)。