朝昼夜のごはんをしっかり食べていますか? 太らない食生活のキーワードとなるのが「3:4:3」のルールです。ダイエットをしているとしても、無理なく効率的に代謝を上げることができます。フードコーディネーターで管理栄養士の大島菊枝氏に、健康に痩せるための時間帯、量、食材などを教えてもらいました。
※本記事は、大島菊枝:著『朝ごはんはすごい -一生太らない食べ方習慣-』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。
ランチではビタミンB12や葉酸を摂ろう
朝ごはん、ランチ、夕食を含めた一日の食べ方習慣についてお話しします。体内時計が正確に動き始めると、三食ごとにきちんとお腹が空きます。ダイエット中だとしても、この体の合図には忠実になりましょう。
まず、太らない食生活にするなら、食べるバランスはちゃんと考える必要があります。量(ボリューム)のバランスは、朝3:昼4:夜3の割合が理想的。ご家族の都合や生活サイクルによっては朝4:昼3:夜3でもいいでしょう。
夜が3というのは少ない印象ですが、脂肪を合成するBMAL1は午後6時以降に増えるため、軽めにしておくのが正解。ただし、水曜日は消費エネルギーが高いというデータがあるので、夕食を思い切り楽しむなら水曜日にしましょう!
3:4:3の法則からわかるように、ランチはたっぷり食べるべき時間です。もし、お肉やパスタなどが食べたくなったら、ランチに食べましょう。
肉なら朝に食べるのは脂質が多過ぎるし、食欲もさすがに追いつきません。消化に時間がかかる肉は、夜たくさん食べてしまうと胃腸の負担になってしまいます。パスタも朝から食べるにはソースに脂質が多過ぎます。一日のなかでも、正午頃からは胃や、すい臓の働きが活発になる時間帯なので、ランチに食べれば消化もスムーズです。
さらにお昼どきは、脂肪を合成するBMAL1の働きが最も抑制される時間帯。ガッツリ食べるならランチが正解。とはいえ、肉をたくさん食べたときは、つけ合わせなどで野菜をたっぷり摂り、代謝に必要なビタミンを摂りましょう。
また、ランチタイムに摂ってほしい栄養素もあります。13時頃にはビタミンB12や葉酸の吸収がピークを迎えます。ですから、これらの成分を含む食品をちょっと意識してみて。エネルギー代謝や「光への感度」、自律神経を整えるビタミンB12は、吸収効率のいい時間に摂っておきたいものです。魚介類や肉に多いので、ボリュームランチなら自然と摂れそうですね。
葉酸もビタミンB群のひとつで、新しい細胞を作るのに欠かせません。赤ちゃんが胎内で育つときにはとても重要なので、妊婦さんはお昼どきに葉酸を摂るように心がけましょう。いちごや葉野菜、レバーなどに多く含まれています。
夕食を工夫して健康な体のもとを作る
夕食は食事の比率が3と少し控えめ。でも、満足感が足りないと、空腹感で眠れなくなったり、深夜にスナック菓子を食べてしまったりしかねません。
夕食で満足するポイントは「塩分」。夜は塩分の吸収がゆるやかになるので、1日でいちばん塩分を摂っても問題がない時間帯なのです。ですから、照り焼きなどしっかりした味付けのものを控えめに食べて、「おいしかった~!」と脳を満足させましょう。
ダイエットの側面からみると、夜は糖質を抑えめに。ランチでたっぷり食べていれば抜いてもOKなのですが、やはり食べたくなってしまうものです。その場合、血糖値を上げにくい穀物を選んでください。白米より玄米は血糖値を上げにくく、小麦粉なら全粒粉に置きかえるのもいいですね。
玄米は消化に時間がかかるので、よく噛んで食べる必要がありますが、ビタミンB群など栄養価も高く、低糖質な食事にはおすすめです。そばも血糖値を上げにくく、夜に合う主食です。
夜、眠っているあいだは、体の基盤を作る時間。ミネラルはぜひ夜に摂ってください。骨や歯の原料となるカルシウム、その形成を助けるミネラルも必要です。鉄は、朝利用されるので、夜のうちに摂って準備しておくことが大切。
貧血気味の人は覚えておきましょう。鉄、カルシウム、マグネシウムなどを広く含んでいるひじき、小松菜は夜におすすめな食材。豆腐や油揚げもミネラル、たんぱく質が豊富で低脂肪なので活用したいものです。
逆に、タマネギやニンニク、ニラ、キャベツなどは、生で食べると胸やけの原因になります。朝、胃がすっきりして目覚めるためにも控えましょう。
夜に摂るべきミネラルと食品
鉄:動物性食品に含まれるヘム鉄は吸収率が高い。野菜や海藻に含まれる非ヘム鉄は吸収率が低いのでビタミンCと一緒に摂ること。酵素の働きを助ける、カルシウムを助けて骨を作る、血圧を下げる働きがある。おすすめの食材は玄米、わかめ、アーモンド、ごま。
マグネシウム:骨や歯の原料になる、血液を凝固させる働きがある。おすすめの食材はチーズ、ヨーグルト、ひじき、切り干し大根、小魚。
カルシウム:鉄と同様に動物性のほうが吸収率が高い。酸素の運搬、コラーゲンの合成を助ける、酵素の構成成分を作る働きがある。おすすめの食材はレバー、ひじき、小松菜、牡蠣、牛肉。