新型コロナウイルスの感染拡大もあり、誰もがないものねだりをしたり、不必要に怒りの感情を抱いたり、真理を知らずに愚かでいるものですが、仏教ではそれを“煩悩”と言うそうです。そんな誰もが煩悩を抱くこのタイミングに、あの笑い飯 哲夫さんの新刊『ザ煩悩』(KADOKAWA)が出版されたと聞き、「今の世の“生きにくさ”を解消してもらおう!」とインタビューしてきました!

「自分はコロナウイルスに感染しているんだ」と考える

新刊『ザ煩悩』を発売した笑い飯 哲夫

――新刊『ザ煩悩』では、たくさんのお悩みに答えていますが、せっかくなので、この取材でも私の悩みの解決からスタートさせていただいていいですか?

哲夫 い、いきなりですか(苦笑)。

――ここ何か月か、コロナウイルスの問題で、日々ストレスが溜まって仕方ありません。どうすればいいですか?

哲夫 なるほど。結局ね、原因と結果というのはつながっていて、その原因を滅ぼすことができたら、結果として表れているストレスも解消できると思うんですよ。

――でも正直、今回はなかなかそれが難しいですよね。

哲夫 いろんな論を言う学者さんがいますけど、僕がずーっと考えているのは、日本人ひとりひとりがね「自分はコロナウイルスに感染しているんだ」と思うことが大事なんじゃないかな、と。

――たとえ健康でも、そう思いこむ。と?

哲夫 そうです。自分が感染していて、誰かに移す危険性があると全員が考えるようになったら、それ以上は広まらないと思うんですよ。みんなが「いかに他人にうつさないか?」ということだけを考えて生活するようになれば広まるはずがない!

――たしかに!

哲夫 いまもたくさんストレスを抱えている方がいると思うんですけど、もしね、自分が誰かにうつしたとしたら、もっとひどいストレスを感じるだろうし、自分が入院するようなことになったら、とんでもない苦痛なわけじゃないですか? それと比べたら、いま、感じているようなストレスはまだ耐えられると思うんですよね。

――考え方ひとつでストレスを軽減させることも可能なんですね!

哲夫 僕も今回の本の記念サイン会が中止になってしまったんですけど、普通だったら「なんだよ、せっかくのサイン会なのに……」って落ち込みますけど、「自分が感染しているかもしれない」と思いこむだけで、「そうだよな。ここでサイン会なんてやったら、たくさんの読者の方にうつしてしまうかもしれない……そんなん、できるはずない!」と納得できる。そういうことじゃないですかね? さっきの原因と結果の話でいえば、ストレスの原因って、日々の生活習慣じゃないですか? コロナでいえば、咳エチケットとか、人との接し方とか。他人を少しでも思いやることで、きっとストレスも和らぐんじゃないでしょうか?

――ちなみに仏教の考え方だと「病気」というのは、どういった考え方になるんですか? 考え方というか、向き合い方というか。

哲夫 仏教には「四苦」というものがあるんですよ。四つの大きな苦しみですね。それが「生・老・病・死」。四大苦しいの中のひとつに病気が入ってきているんですけど、これはもう「誰しもがなること」で「もう避けようがない」ということですね。

――だから受け入れるべし、と?

哲夫 「諦観(ていかん)」って言葉があるじゃないですか? 「諦める」という文字が入っていますけど、あれは「生きていることを諦める」という意味ではなくて、「あきらかにする」ということなんですね、本来は。ものごとの真理を知る。病気でもそうです。それが真実なんだから、そのすべてを知っておきなさい、と。なんの知識もなく病気になったら凹みますけど、「こうなるんだ」と知っておくことで、実際にそうなってしまったときに抱えるものは少なくなるわけですよ。

――なるほど。やはり仏教の教えは深いですね!

「自分はコロナウイルスに感染しているんだ」と考える