“やっている仕事を好きになる”が本質だと感じる
自らのビジネスに社会的意義をもちながら前へ進み続ける佐田に「好きなことを仕事にする」ことについて聞いた。
「まず、“好きなことを仕事にする”という言葉自体に語弊があると思っています。私は、“やっている仕事を好きになる”ことが、仕事を好きになる本質だと感じているんです。
趣味や興味の延長にあって始めたことでも、仕事になると向き合い方は変わっていきますよね。思い通りにならないことがあったり、苦しいことがあったりしても、それでも楽しさを感じられないと、好きを仕事にしている人とは言えないと思うんです。
たとえば、アウトドア好きを理由に関連会社に入ったとしても、人事や経理など、直接アウトドアに関わらない仕事をしている人もいますよね。そういう人こそ、間接的だとしても“アウトドアの発展に貢献している”というロジックを自分の中で作り、やっている仕事を好きになっている人だと思います。
今の仕事は自分に向いていない。だから、好きな仕事をするために転職するという考えは、じつは逃げているだけの場合が多い。今の仕事を好きになれない人間が、新しい仕事を好きになれるわけがないからです。仕事を好きになれるかどうかは、好きを仕事にできる人間なのかの分かれ道になると思います」
チャレンジを続けている佐田に今後の目標を教えてもらった。
「この会社を今よりもっと魅力的にして、いつかは子どもに引き継ぎたいと思っています。その前に、年商100億円は近い将来に達成する予定です。売上の大きさは、お客さまや社会にどれだけ影響を与えているかに直結するので、これからも会社としての存在意義を数字でも追い求めていきたいですね」
最後に、現在進行中のスーツで百名山を登る計画についても聞いた。
「登るべき山は、まだ60以上(2024年5月時点)も残っています。1年に10回登っても7年かかるので、最低でも57歳までバリバリ動ける体力を維持していくつもりです。その勢いで、経営者としても最前線に立ち続けていこうと思っています」
(取材:川上 良樹)