水着のグラビアは最初で最後?
そんな彼女がミスiDをきっかけに、表現者としての活動をスタートさせたのが数年前。「最初で最後」という触れ込みで、水着のグラビアにも挑戦した。
「それは当時のミスiDのスタッフの方が勝手につけたんです。でも、確かに当時は“もうこれで最後でもいいなぁ”と思いながらやっていました。撮影ではステキに可愛く撮っていただいたし、仕上がりも好きなんですけど、グランプリをいただいたからこその副産物みたいなもので、水着になったりするのはこれで最後かなって。
そもそも、能動的に動けば動くほど、“金井球って単なる自撮り界隈の人かと思ってたけど、へぇ~こんな感じでガンガン働くんだねえ(疑うような目つき)”って見られちゃうかも!ってのが……もう恥ずかしくて! 頭の中で勝手に思ってるだけかもですが。
ミスiDに出たのも、表現者になりたい! 何者かになりたい! というよりかは、“可愛い女の子と仲良くなりたい!”が本当に強かったんですけど、どこかに言い訳を残しておきたかったというのも、あったのかもしれないと思います。
関係しているかわからないですが、小さい頃から大体のことはちょっとやると、すぐにコツを掴んで、次から上手にできちゃうんです。だから、好きなことを好きなペースでやりつつ、あまり悪目立ちしないように活動してきた、というのがこれまでの私ですね」
REAL LIFEのことを
— 金井球 (@tiyk_tbr) December 7, 2022
主によろしくお願いします
金
KYU 井
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「本気を出せば!」と、ずっと思っているタイプですか? と聞くと、金井は笑いながら頷いた。ただ、5月から事務所への所属を発表したという彼女、これまで通り、自由にのんびりと好きな仕事だけをしていく、とは相反する決断のように思える。
「事務所に入るなんて、さっきみたいに疑って見てくる人にとって、格好の餌食ですよね、“なんだよ、結局は有名になりたいのかよ~”っていう視線に晒される。でも、まず大きな一つの信念として、シャバいヤツだと思われたくねえ!ってのがあるんですよ。ヒヨってると思われたくない。
あと例えば、私は23歳なんですけど、このまま金井球(32)になりたくないな、と急に思ったんです。別に32歳がダメとかじゃなく、今パッと浮かんだ数字を言っただけなんですけど(笑)。要するに、このまま本気にならないまま、年を経ていくのがイヤだなって。
これまでは、前のめりじゃないことを美徳として捉えていたけど、その二つを天秤にかけたとき、事務所に入って頑張ってみようと思いました。誘っていただいたのが一緒にイベントをやっていて信頼している方だったのと、本っっっ当に連絡を返したりとか、そういう作業が苦手でして…(笑)。そこを補助してもらえるのは本当にありがたいです」
この通りです🫶🏻✌🏻😸
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“何をしているかわからない人”がカッコいい
たしかに、当日まで本当に取材現場に来るだろうか……という危うさは彼女のひとつの魅力ではあるが、事務所に入ったことでオファーなどが受けやすくなり、さまざまな媒体で見られるようになるかもしれない、というのはかなり大きなトピックである。これまでもイベントなどに出演していた彼女。今後やってみたい仕事はあるのだろうか?
「映画のエンドロールに名前が出るような人になりたいです。お芝居? そうですね、挑戦していけたらと思います。お笑いも好きなので、芸人さんとイベントをやったり、大喜利をやったりもしていたんですけど、そういうのも続けてやっていきたい。
芸人さんでは、特にガクヅケというコンビが好きで、船引さんの『完熟トマト新聞』という漫画を買いに行ったり、木田さんのnoteを購入したりしています。最近は日プ女子を見て泣いています、周りからは“今?”と言われているんですけど、今まさにハマってますね」
ここで改めて彼女のパーソナルな部分が気になった。というのも、これまで金井球の人生は、金井球本人がすべて決めているように思えたからだ。誰かに強く影響を受けてとか、誰かの言葉に救われて、ということが少ないように感じたからだ。
「たしかに、あまり思いつかないですね。人生で一番印象に残っている言葉? 何かあったかな……あ、中学のときに付き合ってた彼氏に言われた“横顔がキレイだね”です。そこから、私は横顔はキレイなんだと思って、いろいろなイヤなことを乗り越えてきました。え? その彼氏ですか? 1か月くらいで別れちゃいました(笑)」
中学の頃の彼氏に言われたセリフを印象的な言葉として挙げる、やはり掴めそうで掴めない。それが魅力なのかもしれないですねと問うと、「そうですかね?」と不思議な表情。
「自分的にはあまりわからないんです……でも、撮影の被写体としては褒めていただくことが多くて、最近は肌を褒めていただけることが多くてうれしいです。でも、こうやって説明すると、“何か特別なことしてますか?”と言われるんですけど……私から言えるのは“自転車に乗れ!”と“パンよりご飯を食べろ”ですかね」
最後に、目標とする人物について問うと、“うーん……”と言ったきり口をつぐんだので、取材はそこで終了したが、後日メールで“あれからずっと考えてたんですが……”という前置きとともに、こう答えてくれた。
「インタビューの最初に、何をしているのかわからない、ベールに包まれた……みたいに言っていただいたんですけど、見透かされてるなと思ってたんです。たしかに、私は“何をしているかわからない人”がカッコいいと思ってて、その頂点に立ちたいと思っているんです。じつは、小学生からずっと憧れているのはリリー・フランキーさんです。
小学生の頃、家にあった『SPA!』のグラビアン魂を見て、みうらじゅんさんと二人で話して、グラビアをプロデュースしてて、“そういう仕事をする人”と認識してたんですけど、たまたま見た映画で俳優として出てきて、すっごく驚いたんです。そしたら、小説もエッセイも書いてらっしゃるし、もともとはイラストレーターでもある。そこからずっと憧れなんです。
だから、これからも“金井球ってなんだ?”と思ってもらって、実際に調べてもよくわかんないなって思ってもらえるのが、私の理想です」