ドイツ撃破でハフハフ
試合が終わると、同日に近隣会場で行われるチケットを取っていたカナダvsベルギーの試合会場へ、地下鉄に乗って向かいます。
地下鉄に乗った瞬間でした。カナダのユニフォームを着たサポーターが、他国のサポーターが、日本サポーターを大歓声で迎えたのです。
全員が日本人を讃えて歌います。こんな景色は生まれて初めてでした。まるで、自分がプレーしたかのように、英雄のように迎えられるのです。
電車内は大合唱。途中、ドイツサポーターが入ってきたときは、
「ち、ちがうんすよ、ドイツさん。ネタっすよ、これ(笑)」
と、昨日のサウジのサポーターのように、ハフハフしてしまいました。アジアサポーターは、まだ大国に勝ち慣れていませんね。
カナダvsベルギー。スタジアムにいた日本人で、この試合を楽しんでいた人は、ほぼいないのではないでしょうか。
多くの日本人は、フワフワとした放心状態。目の前の試合よりも、さっき見ていた試合を、頭の中で繰り返し流れているような感じでした。この状態はコスタリカ戦まで続きました。
カナダvsベルギーは、応援で疲れ果てて寝てしまった、というサポーターも少なからずいましたね。それくらい、サポーターも戦ったということでしょう。
さて、体力自慢の僕の夜はまだ終わりません。カタール国内で唯一サポーターがお酒を飲める『ファンフェスタ』という、特設会場がありました。
そこに日本人が行くと、他国のサポーターからは英雄扱いで、ビールをバンバンご馳走してもらえるという情報をキャッチ。こんな夜はビールが飲みたい!!
僕もファンフェスタ会場へ向かいました!!……閉宴時間でした。
ちなみに翌日、再び訪れますが、行く途中でアルゼンチン人とユニフォーム交換をしてしまったため、他の日本人がご馳走してもらっているなかで僕だけは、
「お前、アジア人だけど日本人じゃないだろ!」
と拒まれ、自腹で一杯1900円のビールを飲んだのでした。とはいえ、あの勝利のあとのビールは最高にうまい。このビールが飲みたくて、W杯を見に行っているのかもなぁ。サッカー・お祭り・ビール・冒険。僕が好きなものが、たくさん詰まっているW杯。
すがやの旅はまだまだ終わらない
ひとまずのクライマックスはカタールで迎えました。でも、まだまだ日本代表がW杯で優勝するまで……もしかしたら優勝しても、旅は終わらないかもしれません。
すがやの観戦記連載は、いったんここで終わりますが、またいつか、皆さんに読んでもらえるとうれしいです。
いつか訪れる、ドーハを超える歓喜をまた文字に残すことができますように。