ラクしてお金稼いでるなら俺がやったほうが良い
麻倉:そもそも、どんなきっかけでVTuberはじめたの?
キル:俺はいわゆる"前世"がなくて、大してVTuberも知らん状態で"おもんない奴が楽して金稼げるなら俺がやったほうが良くね?"って感じで活動をはじめたんだけど
麻倉:いいねえ。
キル:でも、一応郷に入っては郷に従え、じゃないけど、最初はタバコ吸ってることも言ってないし、下ネタも4ヶ月言わなくて。でもやっていくうちに、界隈のルールも分かってきて、周りはこうしてるけど、必ずしも合わせなくていいってのが明確になってきた。少しずつ化けの皮が剥がれて、中身のおっさんが喋ってるだけになってきたっていう。
麻倉:きっかけがあったわけじゃない。
キル:そうそう、徐々に取り繕うのをやめた結果、今って感じ。
麻倉:それは私も一緒だな。最初は清純! 清楚! って感じの売り方だったけど、今はFANZA大好き! マッサージ物最高! ですもん。
キル:やっぱ、こうやって喋ったりする仕事でずっと取り繕うのは無理なんだよ。
麻倉:私は一回炎上してから、もう取り繕うのが馬鹿らしくなった。高校も本名も全部公言したし、めんどくさいから。
キル:めんどくさいよね、楽しくない。“俺、エクソシストなんだよね”って言ってる時、毎回頭の中で“何言ってるんだろ、俺”って思ってたもん。
麻倉:(笑)一回ちゃんと、ほかのVの人に怒られろ!
キル:Vの界隈の流れとしては、生身の身体を出すのはもってのほかだったのに、今は料理とかポケカの開封とかで手元配信してる人も結構いて5~6年前だったら考えられない。だからゆくゆくは、VTuberとV以外の境界線ってなくなるんじゃないですか? ……なんかめっちゃインタビュー記事っぽいこと言っちゃった(笑)。
麻倉:そこ強調しとくね(笑)。で、それでいうと私、炎上しがちで、きちんとその都度落ち込むんだけど……。
キルシュ:俺、炎上したことないからわかんないっすね。
麻倉:うそうそ! いっぱい見てるよ! Xで界隈がザワついてた。
キルシュ:でもさ、そのザワつくのってカイジでもそうだけど、モブしかザワつかねえのよ。別にそんな奴のことなんてどうでもいいじゃん。
麻倉:ああ、でもそのマインドになれたら最高だ。わかるやつだけ残れば良いって感じ?
キルシュ:まあ、でも露出の感じにしては、ファンは少ない方だなって思いますけど。
麻倉:たしかに、キルシュトルテのライブ、人少なかったもん。
キルシュ:まじでシバくぞ(笑)。まあでも実際そうで、基本は人気がないけど、一部の人には熱狂的な人気のある食べ物ってあるじゃん。
麻倉:パクチー?(笑)
キルシュ:そうパクチー。100人いたら1人俺のこと好きになる奴がいるかどうかだと思うけど、その1人を掴めばずっと回っていくというか。でも、1人ファン獲得するには500人くらいに名刺配らないといけない煩わしさはあるかな。本当は唐揚げになりたかったけど。
麻倉:唐揚げ?どういうこと?(笑)
キルシュ:だって、唐揚げ嫌いな人っていないじゃん。ただ、俺が唐揚げを目指すと、どこにでもいる没個性のしょうもない男に成り下がる。よくいるしょうもないVTuber。俺、1時間2時間のゲーム配信とか見てる人の嗜好がわかんないもん。あんなの見たって1回とか2回クスッと笑えるだけでしょ? だったらハリー・ポッター見た方が良いって。
麻倉:ちょっと!(笑) でも少し分かるのは、私も生配信系はあんま見ないかも。絶対、中だるみの時間があるから。動画勢がめっちゃありがたい。
キルシュ:おもんないとカットできるからね。
麻倉:キルの動画は編集上手いよね。
キルシュ:俺はやってないから、編集さんが偉いんだけど。ただ、俺が普段仲良くしている活動者たちの編集は、数多あるYouTubeの中でも、比較的見やすい方と思う。
麻倉:編集の方針とかは伝えたりするの?
キル:うん、参考にする動画とかはいくつか提示するよ。その全部をいいとこ取りして、面白くしてほしいって。だから編集者に逃げられたら終わりですよ(笑)。