初防衛戦に難敵・辰巳リカが立ちはだかる

そして、3.16大田区総合体育館から2回目の防衛ロードがはじまる。前回の王者時代の経験や反省点を活かして、より円熟味を増した『チャンピオン・瑞希』が楽しめそうなのだが、初防衛戦から超難敵が立ちはだかることとなった。

チャレンジャーの辰巳リカはクセ者・オブ・クセ者、である。

タイトルマッチを前に、週刊プロレスの裏表紙を辰巳リカが瑞希への熱い想い、というか『片想い』をしたためた手紙が占領して、ファンをザワつかせた。純粋な想いなのかもしれないが、どこか猟奇感も漂う文章……もはや、どんな試合内容になるのか、皆目、見当がつかない。この時点でファンも瑞希も辰巳リカのペースにハマってしまっているのだ。

「リカさんが挑戦権を獲得したことで、パッと決まったじゃないですか、タイトルマッチが。リカさんとは東京女子プロレスで8年ぐらい一緒なんですけど、じつはまだ一回もシングルマッチをしたことがないんですよ。そもそも、同じカードの中に私とリカさんが並ぶこと自体がすごく少なくて。だから、初のシングルがタイトルマッチって、なんだか信じられないというか、不思議な気持ちというか、いまでも夢の中にいるみたいな感覚なんですよ。それがいい夢なのか、悪夢なのかは別として(笑)。

正直、私もどんな試合になるか想像はついていないです。リカさんを攻略できるかどうかもわからない。リカさん、つかみどころがなさすぎて、怖いです。本当に怖いです(苦笑)。チャンピオンになったけれども、そういう意味ではチャレンジャーの気持ちでもあるし、まだまだ未知なものってたくさんあるんだなって感じてますね。きっと、試合が終わったあとに新しい感情が芽生えるんでしょうね。だから、2回目のチャンピオンですけど、今回もきっと防衛戦って新しいことばかりなんだろうなって。それは楽しみだし、新しいことを体験するには、まずリカさん相手にベルトを守らなくちゃいけないので、がんばります!」

▲辰巳リカと初のシングルマッチに臨む瑞希

しばらく経験していないタイトルマッチの空気感。ものすごい緊張とプレッシャーを防衛戦のたびに感じてきた、という瑞希は「試合前に緊張している私に『大丈夫だよ』と声をかけにきてくれた選手もいたんですけど、その言葉で泣いちゃったこともあるぐらいで……」と前回の防衛ロードを振り返る。その緊張感は2度目の防衛ロードで少しは和らぐのか、それとも……その答えは3.16大田区総合体育館まで、誰にもわからない。

東京女子プロレスの魅力を瑞希は「第1試合からみんなでバトンをつないでいくこと」と語る。いい試合のリレー、汗と涙のリレー。チャンピオンはアンカーとして、全選手の想いを託され、お客さんにハッピーな気持ちになって帰っていただくことが最高のゴールとなる。

前回の王者時代と違うのは、若い選手が急成長したことで、第1試合からレベルがグンと上がってきていること。つまり、最後に渡されるバトンの質もかなり高くなってきている。普通だったら、ちょっと不安になってしまう要素なのだが、瑞希の場合、そんな気遣いは無用だ。なぜなら、この1年3カ月、第1試合からメインイベントのあいだでバトンをつなぐ役割をずっと果たしてきたから。後輩たちがものすごい勢いでバトンを渡してくることも、次につないだ選手の背中がびっくりするほど逞しいことも、すべて自分で体感してきている。だからこそ、瑞希の2度目の防衛ロードには期待したくなるし、初防衛戦から目が離せない。

(取材:小島 和宏)


【試合情報】

GRAND PRINCESS '25

日時:2025年3月16日(日) 開場13:00 開始14:00
会場:東京・大田区総合体育館
■チケット
-前売り-
VIP席 50,000円(正面最前列のみ限定12席) 完売
スーパーシート 30,000円(最前列限定30席) 完売
アリーナS 20,000円(2列目限定58席) 完売
アリーナA 13,000円(3~5列目限定184席) 完売
スタンドS 8,000円
スタンドA 5,500円
レディースシート2,000円(アリーナ席)
-当日-
スタンドS 8,500円
スタンドA 6,000円
レディースシート2,500円(アリーナ席)
U-18チケット1,000円(要身分証)

■販売場所
公式チケット購入フォームチケットぴあローソンチケットe+
※WRESTLE UNIVERSE会員先行受付=2024年12月5日(木)12:00~12月9日(月)12:00、WRESTLE UNIVERSE会員2次先行受付=12月13日(金)12:00~12月16日(月)12:00、会場先行販売=12月29日後楽園ホール大会、一般販売=12月30日(月)~。

備考
■全対戦カード
○第一試合 20分一本勝負
長谷川美子&芦田美歩 vs HIMAWARI&鈴木志乃
○第二試合 20分一本勝負
関口翔&桐生真弥&猫はるな&アイビー・スティール vs 鳥喰かや&キラ・サマー&七瀬千花&高見汐珠
○第三試合 15分一本勝負
マックス・ジ・インペイラー vs 宮本もか
○第四試合 20分一本勝負
アジャコング&上福ゆき&上原わかな vs 愛野ユキ&風城ハル&凍雅
○第五試合 SETUP認定オールアジア女子選手権試合 30分一本勝負
<王者>原宿ぽむ vs らく<挑戦者>
※第2代王者2度目の防衛戦。
○第六試合 スペシャルシングルマッチ 20分一本勝負
ウィロー・ナイチンゲール vs 渡辺未詩
○第七試合 スペシャルシングルマッチ 20分一本勝負
里村明衣子 vs 荒井優希
○第八試合 インターナショナル・プリンセス選手権試合 30分一本勝負
<王者>鈴芽 vs 遠藤有栖<挑戦者>
※第13代王者2度目の防衛戦。
○セミファイナル プリンセスタッグ選手権試合 30分一本勝負
<王者組>山下実優&伊藤麻希 vs 中島翔子&ハイパーミサヲ<挑戦者組>
※第17代王者組5度目の防衛戦。
○メインイベント プロレスファン必携アプリSTOMPING-ストンピン-Presents プリンセス・オブ・プリンセス選手権試合 30分一本勝負
<王者>瑞希 vs 辰巳リカ<挑戦者>
※第15代王者は初防衛戦。

■協賛
WINTICKET、ドットマネー、Queri

プロフィール
瑞希(みずき)
1995年3月16日生まれ。兵庫県神戸市出身。東京女子プロレス所属。2012年にデビューし、2017年4月から東京女子プロレスにレギュラー参戦し、2020年11月に正式入団を果たした。回転式ボディーアタック「渦飴」がSNSで1億回再生されたことで様々なメディアに取り上げられた。1.4後楽園ホールで渡辺未詩に勝利し、2度目となるプリンセス・オブ・プリンセス王座戴冠を果たした。X(旧Twitter):@mizupyon3、Instagram:@mizupyon3