お笑い芸人・カカロニのすがやが大学サッカーの魅力を発信する「カカロニ・すがやの大学サッカーReport」。第4回は、2024年度男子インカレ日本一に輝いた東洋大学サッカー部さんの練習参加&見学へ。ポゼッションサッカーの妙を学びます!
最初の練習メニューから対人!
東武東上線の北朝霞駅、JR武蔵野線の朝霞台駅から徒歩10分ほど。埼玉県内はもちろん、都内や千葉からも比較的通いやすい立地。
2024年度男子インカレ日本一。そして女子関東リーグ優勝の垂れ幕が下がる東洋大学朝霞キャンパス内にあるグラウンドは他部との共用。朝10時前、サッカー部員もグラウンド脇のベンチで準備をしています。
と、いうわけで大学サッカーの注目度向上を目指して練習見学(時々参加)・取材をしていく本コラムも4校目。今回は、昨年度インカレ優勝。そして同年にアルビレックス新潟の稲村隼翔選手や東京ヴェルディの新井悠太選手ら、在学中からJ1リーグで主力として活躍してきた選手筆頭に、JFL含めると8人のサッカー選手を輩出した東洋大学サッカー部さんに取材に行ってまいりました。
事前に筆者であり若手芸人の僕、カカロニすがやが2試合ほど観戦した印象としては、立ち位置の妙を活かしたポゼッションサッカーで、個々の個性が適材適所で輝くサッカーという印象で、関東一部リーグ開幕戦の桐蔭横浜大学戦では圧巻の5得点勝利。
一方で取材直前の国士舘大学戦ではフィジカルを前面に押し出してくる相手に対し、随所に強みは見せたものの、試合を支配しきることができず、そのパワーの前に沈む形で敗北していました。
そんな東洋大学がどんな練習をしているのか、興味津々で取材を申し込んだところ、ウォーミングアップまでは練習に参加させていただけるとのこと! なんて光栄なことなんだ!!
とはいえ、34歳の僕は大学生のウォーミングアップについていくためには、プレウォーミングアップが必要。ということでウォーミングアップ前からピッチ脇で念入りに身体をほぐして、ステップワークを淡々とこなします。
部員たちはピッチに出て、二人組のパス交換をしていました。
「あれ? これもうぬるっと練習始まってる?」
と思うくらいみんながみんな止めて蹴るをしています。
よく考えたら、僕はポゼッション主体のチームでサッカーをしたことがありません。走って闘ってきました。ポゼッション主体のチームの練習を何一つ知らないのです。
そして時間になるとチームを率いる井上卓也監督がみんなを集めて軽くミーティング、そして僕を紹介してくださり練習がスタートしました。
「あ、ここからなのか」
と、軽く安堵していると、5〜6人組を各々作り、最初のメニューはオフェンス3人対ディフェンス2人のライン突破練習。オフェンス側がボールを動かしながらコーンで引かれたラインをどこかのタイミングで突破する練習。

「え!? 初手から対人!!?」
ちょっと初めての体験でした。
「プレウォーミングアップしといて心からよかった……」と深く安堵。
アップなので球際を強くいったりはしませんが、素早いボール回しとオフザボールを早々に体感します。球際強くいかない、というか、いけるスピードでボールを回していません。
なんせみんなパスが速い。早くて、速い。超低弾道で芝の上を低空飛行してるようなボールを難なくコントロールして次の味方につけていきます。僕だけ足にボールが当たる音が違う気がします。
部員は「ドッ」「ドゥン」
僕は「テイン」「テェエン」
です。僕だけ音程がテノールです。
それでも、僕の少し跳ねているようなパスも難なくコントロールしてくれる技術。そして気を使うでもなく普通にコーチングして、こっちがいるべきところにいれば迷いなくボールを入れてくれる。
「楽しい……。なんて心地よいんだ、ハイクオリティポゼッションチーム。明治大ではボールは触らず12分間走だけして終わったのに……」(持久走はすがやの1番の得意メニューなので、それはそれでめちゃくちゃ楽しかったのである)
〇「明治発、世界へ!」明治大学サッカー部の強さの根源は礼節・思いやり・謙虚さ
さて、練習は間に二人組でのストレッチやジャンプヘッドなんかも挟みます。ヘディング練習一つとっても、人を立てて、その背後や左右で跳ね返す、など試合を想定した細やかな工夫があって面白い。客観的に見て、フィジカル勝負は東洋の苦手分野だと思うので、そこを少しでもアイデアで克服しようということが感じられます。

その後は、パス練習へ。パス&ゴーなのですが、これもみんな上手い。パスは受け手の足元にピタッとつけているし、ワンタッチの落としも走りこむ選手が次のパスコースに出しやすいところにボールを置いているような感じ。このときもやっぱりボールを蹴る音が違うんだよなぁ。
