この春から体を鍛え直したい貴方に贈る“読む筋トレ”。アメリカをはじめとする世界の最新トレーニング事情から、筋肉を増やす食事法まで。超一流企業のビジネスパーソンは、筋トレで強靭な身体と精神を培っていた! シリーズ第2回目はオックスフォードとスタンフォード、英米エリート大学の筋トレ事情を探る。

身体と脳の両方を鍛えると、人生の選択肢が広がる

「世界大学ランキング2020」〔英国の高等教育専門誌「THE」調べ〕で、第1位の英国オックスフォード大学、第4位の米国スタンフォード大学は、毎年、文武両道の学生を多数、輩出しています〔ちなみに、東京大学は第36位〕。

リオデジャネイロ・オリンピック(2016年)では、スタンフォード大学の学生が27個ものメダルを獲得しています。また、オックスフォード大学には国の代表選手が多数在籍しています。

2017年、僕はオックスフォード大学での柔道指導の際、同校のトレーニング施設を見学しました。

▲シリコンバレーの中心にある、スタンフォード大学

さらに2019年1月、アメリカのトレーニング事情の視察に行った際に、スタンフォード大学のトレーニング施設を見学しています。

この二つの大学の最先端のトレーニング施設を見た時、僕はグーグルと同様にとても驚きました。ここにも、筋肉を鍛えるための最新のマシンが、何種類もズラリと並んでいたのです。

▲トレーニング施設 イメージ:PIXTA

まさに、“圧巻”の一言でした。とても大学のトレーニング施設とは思えないくらい素晴らしい施設でした。

オックスフォード大学の学生もスタンフォード大学の学生も、この素晴らしい施設で一流トレーナーの指導のもと、筋トレに励んでいました。

彼らは、将来の可能性を増やすために、スポーツと勉強を両立させています。 学生時代に、身体と脳の両方を鍛えることで、人生の選択肢が広がることをよく理解しているのです。

例えば、MLB(ベースボール)に行ける学生がプロにはならず建築の道を選択する。NBA(バスケットボール)に行ける学生がプロにはならず医師の道を選択する――というのは、彼らにとって当たり前のことで、よくある話なのです。

日本では、スポーツをやめた後の生き方や、怪我で選手生命を絶たれた後の生き方がとても難しくなるケースが多いのですが、それは学生時代にスポーツしかしていないからです。僕はこのことを、とても残念だと思っています。

日本では、スポーツのできる人は「脳まで筋肉」のようなイメージがありますが、実は、運動神経のいい人は、運動神経を司る脳の機能が高いということがわかっています。

また、筋肉をよく動かすことで筋肉そのものから分泌される生理活性物質の総称である「マイオカイン」。

そのなかのひとつが、脳に作用して神経細胞を増加させたり、減少を防いだりする効果を認める研究結果も報告されています。

※本記事は、井谷武:著『史上最高のパフォーマンスを引き出す 知性を鍛える究極の筋トレ(マガジンハウス)』より、一部抜粋編集したものです。

『知性を鍛える究極の筋トレ』は次回5/7(木)更新予定です、お楽しみに。