コロナ禍で切り拓いたチャンスと『刀剣乱舞』出演

――事務所に入ってからは、すぐに俳優活動を始められたのですか。

長田 : 気持ちは変わらず俳優志望だったんですが、所属した事務所は音楽に強い事務所だったので、最初は歌とダンスのレッスンからスタートでした。それらのトレーニングを受けたことがなかったので、すごく新鮮で楽しかったです。その結果、いくつかのボーイズグループを経て、「プラチナボーイズ」というグループで活動することになりましたが、コロナ禍で活動が制限されてしまったんです。

でも、どうしても俳優への夢は諦めきれなくて、自分の発信力を高めるためにTikTokやYouTubeでの活動を開始して。SNSの運用も独学で学んで、その内容をメンバーにも共有して、グループ全体の数字を伸ばそうと努力しました。そうしているうちに、俳優のオーディションとしては2作目の挑戦だった『刀剣乱舞』への出演が決定しました。話題の大きな作品だし、役を掴めたときは、本当に嬉しかったです。努力してきた過程がつながった瞬間でもあり、ようやく俳優としての一歩を踏み出せることになりました。

▲人気ミュージカル『刀剣乱舞』で俳優デビューを果たす

――努力の積み重ねですね。俳優として大切にしていることは何でしょうか。

長田 : “これでいい”と妥協しないことです。監督や共演者の意見を取り入れながら、自分なりの正解を探します。僕自身頑固な面もありますが、一度は相手の提案を受け入れて試すことを心掛けています。今も、俳優の仕事をさせていただいていることが夢を見ているようなところもあるんですが、自分がやりたい職業をできていることに責任と自覚を持って取り組んでいるところです。

――ずっと頑張り続けている印象ですが、途中で挫折しそうになったことはありますか?

長田 : なんでもプラスにとらえようと考えるほうではあるんですが、やっぱりつらいときもありました。でも、僕は不思議とどん底を経験したあとに、必ずすごくいいことがあるんです。そうなるパターンがわかっているので、落ち込んだら気持ちを切り替えるスイッチを入れるようにしています。

――そういう考え方になるのは、何か影響を受けているものがあるのでしょうか。学生時代の部活動とか!?

長田 : 学生時代に柔道、水泳、バドミントン、バスケットボールなど様々なスポーツに取り組んだ経験から、「諦めない姿勢」を学びました。それらの競技で何か大きな実績があるわけではないんですが、絶対に負けない、叶えてみせる! という反骨心にも近い気持ちは、そういう中で培われたのかもしれません。今思うと、自分の意志がはっきりしていて、この仕事をする前から、自分で決めて選択してきているように思います。