同じクラスになったアイドルの音読を、隣の席で聞けたら——。そんな追体験ができる、聞いて焦がれる純文学をお届けする音声コンテンツ『THE FIRST 音読』。

今回、Newsクランチ!読者のみなさまに、その第1回を飾ってもらったHKT48の豊永阿紀、栗原紗英、大庭凜咲、龍頭綺音、秋吉優花、井澤美優、江口心々華、大内梨果、松永悠良、梁瀬鈴雅、10名の朗読を実際に聞いた感想を送ってもらう『THE FIRST 読書感想文』を開催!

今回、『走れメロス(著:太宰治)』と夏目漱石の『夢十夜 -第四夜-』を担当した龍頭綺音さんに、朗読の感想や『THE FIRST 読書感想文』への思いをお聞きしました。

収録1週間前に『走れメロス』を授業で勉強しました

今回の『THE FIRST音読』企画のキービジュアルを担当してくれたのは、参加メンバー最年少の龍頭綺音。まだ15歳の中学3年生。「同じクラスになったアイドルの音読を、隣の席で聴けたら……』というコンセプトにもぴったりだし、なによりもリアルタイムで国語の授業で文学作品に触れ、実際に音読することもある。そんな彼女に話を聞いてみたら、音読企画と学校での授業がまさかの偶然と奇跡で結ばれてしまった!!

▲キービジュアルを担当してくれた龍頭綺音さん

――龍頭さんは現在、中学3年生ですが、国語の授業で朗読というか、教科書に載っている作品を授業中にみんなの前で読むことはありますよね?

龍頭:はい、あります。

――どうですか、得意ですか?

龍頭:えーっ、どうだろ? 国語というか、漢字の成り立ちみたいなのがあるじゃないですか? あれはちょっと苦手ですね(苦笑)。でも、授業のときはひとりが読む範囲ってちょっとだけなので、朗読とはまた違うじゃないですか? そういう意味では今回の企画ではじめて朗読に挑戦することになったので「いったいどうやって読めばいいんだろう?」とか「どの作品の担当になるんだろう?』とか、すごくドキドキもしたし、楽しみでした!

――今回、龍頭さんには太宰治の『走れメロス』を担当していただきました。

龍頭:国語の授業で『走れメロス』をやったことがあるので、お話の内容はわかっていたんですよ。

――えっ、いつごろ授業で勉強したんですか?

龍頭:朗読の収録をする1週間前です。

――えっ、えーっ! そんな偶然ってありますか!? ちなみに授業のときは一部分を読んだりはしなかったんですか?

龍頭:そのときの授業では『走れメロス』をみんなで聴く感じだったので、順番に読んだりはしなかったです。ただ最初から最後まで聴いたばかりだったので、すごく頭に入った状態で朗読にチャレンジできました。

――実際に朗読をやってみて、どうでしたか?

龍頭:この物語はメロスが主人公なんですけど、ほかにも登場人物がいるので、それをどういう風に表現しようかなって。読み方を変えたりとか……そこが難しかったですね。私、緊張すると早口になっちゃうクセがあって、実際にちょっと早口になっちゃった部分もあったんですけど(苦笑)、もっと落ち着いて、早口にならないようにしようってことはすごく意識しました。

――録音に立ち会ったスタッフは「たしかにちょっと早口になっていたけれど、それが『走れメロス』ならではの疾走感につながって、すごくよかった。全然、気にしなくてよかったのに」と言っていましたよ。ほかに意識した部分はありますか?

龍頭:国語の授業のときは短い部分を読むだけなので、そんなに気持ちの上げ下げを表現したりはしないんですけど、朗読になると気持ちが上がったり下がったりのテンション感を出すことで、聴いてくださっている方も物語に入っていきやすくなるのかな、と思ったので、そこはがんばって表現したつもりです!

――初のチャレンジでそこまで意識できるのは素晴らしいですね。

龍頭:先輩方の朗読も聴いてみたんですけど、みなさん感情の表現の仕方がものすごく上手で……また朗読する機会があったら、もっともっとレベルアップして挑みたいなって思いました。

――たしかにお姉さんメンバーたちはテクニックがありますからね。ただ、独特の初々しさは龍頭さんならではだと思いました。これは龍頭さんだけじゃないですけど、ふとした瞬間に「あっ、これは九州の子だなぁ〜』と感じるイントネーションが出てきたり。

龍頭:アハハハ!

――そういう“素”の部分が見え隠れするのも朗読ならでは、だと思います。ドラマや舞台での演技では、それは見られないものだと思うので。ちなみに石橋颯さんに全員の朗読を聴いてもらったんですけど『朗読なんてできるの? 大丈夫? と心配しながら聴いていたら、ちゃんと役も演じ分けられていて、すごく上手だった!』と感動していましたよ。

龍頭:えーっ、本当ですか? うれしいです、エヘヘヘ。

――第四夜は、この企画のティザー映像のメインを務めた龍頭綺音さんです。

石橋:も〜う! かわいすぎた!! 最初に「第四夜」って言ってから「龍頭綺音」って言うまで、ほんの少しだけ間があるんですけど、その数秒間でもう愛おしさがいっぱいになっちゃって!

――朗読の解説で、まさか行間の空白時間を語りだすとは! でも、実際に聴いていただければ石橋さんがなぜこんなに昂っているのか、きっとわかると思います。尊い!

石橋:“大丈夫? ちゃんと読める?”って心配にもなったけど、読み始めたら普通に上手でした! おじいさんが出てくるお話なんですけど、ちゃんとおじいさんの言葉はそれがわかるように読んでいるし、なんかもう聴いていて心が浄化された! 気がついたら、私、朗読を聴きながら、すごくニヤけてました(笑)。そういう幸せな気持ちにさせてくれるのも才能だと思うし、もうね、天才的ですよ!!!

――どうやら石橋さんの「お姉さんスイッチ」が入りまくったみたいですよ、龍頭さんの朗読には(笑)。じつは今度、作品を聴いていただいた方から感想文を募集することになったんですね。そんな企画もあって、これから聴いていただく方も増えると思うんですけど、そういう方たちに「ここを注目してください」というポイントを教えていただけますか?

龍頭:私の声は結構、芯が強めというか、女の子らしいかわいい声ではないと思っているんですけど、その元気系の声を活かして、自分なりに『走れメロス』の世界観を表現したつもりなので、そういうところを注目して聴いていただけると嬉しいですね。