先生にクスっと笑ってもらいたくて

ーー小泉さん役は2代目でしたが、葵わかなさん、浜辺美波さんに続く3代目として、英語が喋れず困っている人を救うヒーロー“ボキャブライダー”を務めることにも。ラジオとテレビで放送中の同名の英語番組に、今年度からレギュラー出演中です。

桜田 5分間番組なんですが、2週間に1回あるスタジオでの収録が意外と大変で。ラジオの方はまだ撮り直しが“ここの部分だけ”ってできるからいいんですけど、映像になると結構難しかったりして。1日でテレビを5本、ラジオを10本収録しているんです。

ーーそういうお仕事、あんまりないですよね。

桜田 楽しいですよ! 英語の発音が「どんどん良くなってる」って周りの方から言って頂けて嬉しいです(笑)。もともと公文と英会話をやっていたし、役としてもお母さんが家で英会話教室を営んでいるっていう設定だから、ある程度発音もきれいじゃないといけないので、〔同じくボキャブライダーを演じる〕マックスさん(マクスウェル・パワーズ)と一緒に繰り返し繰り返し練習しながら収録しています。

ーー英語はもともと得意?

桜田 実はあんまり得意ではないんです。この『ボキャブライダー』を通じて、私もいつか喋れるようになったらいいなと思っています。

ーー現在、高校3年生ですが、学校で好きな科目は?

桜田 勉強は全般的にそんなに好きではないんですが(笑)。強いて言うなら、現代文ですね。でも、作者の意図を読み取るみたいな設問がすごく苦手です。

ーーある種、台本を読み解くのと同じでは?

桜田 なんかちょっと自分的には違うんですよね。本を書いている方と脚本を書いている方の思考ってたぶんちょっと違っていて。本って1人の人の視点などで書かれているので、登場人物の内面や動きも全部書かれているじゃないですか。でも、脚本って全部が全部書いてあるわけじゃないし、脚本家の方が登場人物のいろんな視点から物事を見て書いていると思うので、なんかちょっと違うんですよね。

ーーなるほど。

桜田 だから、この前もテストで苦労しました。鼻がすごい長くて、からかわれている和尚さんのお話〔※芥川龍之介の短編『鼻』〕から“何々を書き抜きなさい”みたいな設問が色々出てきて、最後の方に “あなたが和尚さんの立場だったら、どうしますか?”っていう設問があったんですよ。なぜか私、そのとき「これ、ボケた方がいいのかな」と思って。

ーーどうしてですか(笑)?

桜田 先生って、何10人もの生徒の答案に丸をつけていくわけじゃないですか。それってすごく大変なことだなと思ったら、そういうときに私の回答を見てクスっと笑ってもらえたら嬉しいなと思ったんです。どうしてかわからないですけど。なんかそうしたくなっちゃって(笑)。あとでみんなの回答を聞いたら、病院に行って鼻を切るとか、マスクをして過ごすとかって書いたみたいなんですけど、私は“その長い鼻を生かして、お笑い芸人になります”って書きました!

ーーその設問をした意図ってなんですかね。生徒たちがどうコンプレックスに向き合うのかを知りたかったんですかね。

桜田 たぶん、そうだと思いますね。だから、いい答えしたな〜って自分で思いました(笑)。芸人さんになって“お金を稼いで、みんなを見返す”とも書きましたし。