なんて仕事のできるやつなんだ

ただ沼津に向かう道中で、小倉は喫煙所で勧められた宿をネットで見ながら予約の電話をしていた。

なんて仕事のできるやつなんだ。
これはさっきのウンコマンポイントは取り消しにして、プラス1ポイントだ。

小倉が高速でポイントをプラマイゼロにした所で漁港に到着した。
案内してくれたタクシーの運転手さんとそこでお別れをして漁港を探索すると、なんとお昼ご飯のタイミングから時間が経っていてほとんどの店が閉まっていたのだ。

これは参ったなぁとあてもなくウロウロしているとお店を閉める準備をしていたおばちゃんが、困ってそうな観光客のオーラを察してくれて少しの時間ならどうぞと店に入れてくれた。

なんて優しい人なんだ。
意味ないけどおばちゃんに10ポイント。

そこでそれぞれお酒を一杯ずつと地元で取れたアワビやホタテを注文した。
無理だと思ったタイミングでのお酒とご飯はそれは最高の味わい。

流石のレフリーもご機嫌になり

「こんな美味しいもの食べられて来た“かい“があったね!」
と小粋に感想を言うと、後藤もすかさず

「そうですねぇ “会“話も盛り上がりますね」
とご機嫌に返してくる。

「小倉はどうよ?」と話を振ると、

「美味しいですねぇ」

いや“かい“で返せよ!
と3人のテンションは最高潮になった。

最高な楽しい時間ではあったけど、レフリー的にはそこで“かい“で返さなかったので一応マイナス1ポイントにはする事にした。

お会計をした後店員さんにまだやってるお寿司屋さんがあると教えてもらい、まだまだお腹が空いていたのでお寿司屋さんにすぐ向かって店内に入ったタイミングで大雨が降って来たのだ。

せっかく盛り上がってきた所でまさに水を差された。
雨のせいかお寿司屋さんではあまり盛り上がる事がなかった。

三島駅に着いた時と似た空気が漂っていた。
やっぱり2人とも気まずいのか?とまた色々と考えてしまう。

満腹になった所で、外を見ると雨が止み始めていたのでお会計を済ませて外に出る。

3人とも次どうするかなど話す事なく黙って歩く。

そこでふとレフリーが空を見上げると

「え?虹?」

後藤と小倉も同時に顔を上げる。

虹がかかっていた。

それは人生で見た中で1番ハッキリと見えるとても大きな虹だった。

3人とも一言も喋らず虹を見つめる。

なんて綺麗なんだ。
その感情と同時にオレはレフリーの引退を決めた。
別にどっちが悪いなんて決めなくて良いじゃ無いか。
何にポイントをつけていたんだ。
愚かだな。

後藤と小倉の方を見ると虹を見ながら2人で笑っていた。

やれやれ。
全てオレの考えすぎか。

ここまでの楽しそうな2人を見ていたら過去の喧嘩はもうきっと清算しているに決まっている。

なんなら新幹線であった不穏な雰囲気もこの美しい虹をより美しく見れるスパイスになったじゃないか。

しばらく虹を見つめて最高の旅だと確信した。

結果あんだけ嫌がっていた旅行は、走馬灯のセンターカラーを担当しても良いほどの思い出になった。

ただ最初とは違う理由で旅行に行くのが億劫になってしまった。
この旅行が良過ぎて次のハードルが上がりきってしまったからだ。

次回、反省第15回は4月20日(月)更新予定です。お楽しみに!!