「ストレス」は人間に備わった危機察知能力

決定的な特効薬もなく目に見えないウイルスが暗躍しているこの世界では、あまりに不確かなことが多くて、不安がどんどんあなたの心を侵食していることでしょう。

人間はわからないことが多過ぎで不安や恐れを感じるものです。そして、不安は人から人へと伝染していきます。これが第2の感染です。

▲「ストレス」は人間に備わった危機察知能力 イメージ:PIXTA

ストレスを感じている身近な人がいると、その人を見ただけでストレスホルモンの数値が上がるという報告があります。さらに知り合いから感じるストレスの方が、まったくの他者から感じるよりもストレスの度合いは強いそうです。

たとえば、会議室で上司がイライラして、大きな声を出したり、大きな音を立ててイスをひいたりすれば、そのストレスは、その場にいる全員に伝染することでしょう。

さらに密室など狭い空間にいる際、その傾向は強まるようです。

ストレスとは人間に備わった危機察知能力であり、それが他者に伝染するのは当然のことだという意見もあります。ストレスは条件反射を生み出します。

たとえば、苦手な上司の名前を聞くだけでストレスを感じることもあるでしょう。上司のつけている香水の匂いだけで心が重くなることもあります。

他者のネガティブな感情は、私たちの生活や心に悪影響を与えます。

スマホを開くたび「不安」に感染している

さらにストレスを感じた自分自身が、他者にストレスを与えているかもしれない可能性を考えてください。常に自分が被害者であるだけでなく、他人にストレスを与えているインフルエンサーの可能性だってあるのです。

現代社会は、SNSなどの発言がダイレクトに受け手に届きます。

不安を煽るようなネットニュースもあなたの不安を加速させるでしょう。手元のスマホを開くたびにストレスを感じ、小さなストレスはウイルスのように周囲に飛散していくのです。不安は感染します。

▲スマホを開くたび「不安」に感染している イメージ:PIXTA

まずはあなたの不安をそっと取り除きましょう。不安の原因がどこにあるかをしっかりと見つめてください。情報がなくて不安ならば、逆に、それ以上の情報を探さないこともひとつです。

人間は不安を感じているときに、自分が不安になるような情報ばかりを血眼になって探してしまうことがあるからです。ポジティブな情報に目を向ける努力をしてもいいでしょう。

なんとなく不安な気持ちが続くならば、一度深呼吸をして自分自身を客観的に観察してみてください。