ウサイン・ボルトとマイケル・フェルプスの時代

2008年五輪には大阪も立候補していたが敗れる。ジャマイカのウサイン・ボルトが100mと200mに優勝。競泳のマイケル・フェルプスは9日間で17レースに出場し、8個の金メダルを獲得して、これから3大会にわたって2人の黄金時代に。

第29回・北京(中国/2008年)……中国人映画監督の張芸謀がチーフディレクターを務めた開会式は「巨人が国家体育場に向かって歩いてくる」という演出で、北京市街の上空に29歩の足跡をかたどった花火が打ち上げられ話題に。中国が51個の金メダルを獲得し36個のアメリカを引き離した。北島康介(きたじまこうすけ)が平泳ぎ2種目で優勝。

レスリング女子では、吉田沙保里(よしださおり)と伊調馨(いちょうかおり)が金。女子ソフトボールも制覇。柔道の内柴正人(うちしばまさと)、谷本歩実(たにもとあゆみ)、上野雅恵(うえのまさえ)、石井慧(いしいさとし)が金。

第30回・ロンドン(英国/2012年)……開会式での「ジェームズ・ボンドにエスコートされた空飛ぶ女王陛下」の演出が話題に。この大会でもスターは陸上のボルトと競泳のフェルプスだったが、ボルトは3種目、フェルプスは4種目で優勝した。南アフリカのキャスター・セメンヤが女子800mを制覇して話題になった。

ボクシングでは村田諒太(むらたりょうた)が東京オリンピック以来の金。体操男子個人総合で内村航平(うちむらこうへい)。女性レスリングでは小原日登美(おばらひとみ)、伊調馨、吉田沙保里、男子で米満達弘(よねみつたつひろ)、柔道では松本薫(まつもとかおり)が金メダルを獲得した。銀メダルは女子サッカー、女子ウエイトリフティング、アーチェリー、バドミントンといった競技でも獲得できた。

▲アーチェリー イメージ:PIXTA

第31回・リオデジャネイロ(ブラジル/2016年)……ブラジルはネイマールらのサッカー、男子バレー、女子柔道のラファエラ・シルバなど7個の金メダルを獲得した。ゴルフはジャスティン・ローズ、7人制ラグビーはフィジーが金メダル。女子体操でアメリカのシモーネ・バイルズが4種目で金メダルを獲得。柔道では世界選手権7連覇のフランスのテディ・リネールが100kg超で2連覇。

陸上のボルト、水泳のフェルプスは全盛期を過ぎてはいたが、それでも3個と5個の金メダルを得た。競泳の萩野公介(はぎのこうすけ)、金藤理絵(かねとうりえ)、男子体操の団体と個人の内村航平、女子レスリングの登坂絵莉(とうさかえり)、伊調馨、川井梨紗子(かわいりさこ)、土性沙羅(どしょうさら)、柔道男子の大野将平(おおのしょうへい)、ベイカー茉秋(ましゅう)、女子の田知本遥(たちもとはるか)、バドミントン女子ダブルスの髙橋礼華(たかはしあやか)、松友美佐紀(まつともみさき)が金メダルを獲得した。卓球団体は男子が銀、女子が銅だった。男子4×100mリレーで銀メダル、カヌーでの銅も話題になった。

※本記事は、八幡和郎:著『365日でわかる世界史』(清談社Publico:刊)より一部を抜粋編集したものです。