世界にはいくつの国があるのだろうか。国際連合の加盟国という意味なら193カ国だが、日本が国交を持っている国なら196カ国だし、政治的な理由で国でなく地域だとされているものの、実質的には世界の主要国のひとつともいえる台湾のような存在もある。著書が140冊以上ある博覧強記のベストセラー作家・八幡和郎氏に、これからダイバーシティ時代を生きる社会人として、教養の基礎となる質問をぶつけてみた。

※本記事は、八幡和郎:著『365日でわかる世界史』(清談社Publico:刊)より一部を抜粋編集したものです。

令和時代における世界には200の国がある

世界にいくつの国があるかは、国際的に共通の基準があるわけではないので、自明の理ではないが国際連合加盟国は193カ国だ。しかし、我が国が国交を持っている国は196カ国であるし、ほかにも国としての実態をかなりの部分において備えているものがある。

▲令和時代における世界には200の国がある イメージ:PIXTA

世界には実態はまったくないのに、歴史的な理由もあって、一部の国の承認を得ている国もある。独立紛争中の地域もそれを国と見るかどうかには外交的な思惑がからむ。

オリンピックに参加するのは、IOC(国際オリンピック委員会)に参加する国ないし地域である。2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは200を超える国、地域が参加する予定だった。ただ、あえて少し甘めに拾っていけば、以下の200カ国をもって令和が始まった時代における世界の国といえる。

①国連加盟国である193カ国。
②国連のオブザーバーであるバチカン市国とパレスチナ。
③ニュージーランドに外交を委ね、国連には加盟していないが、日本と外交関係がある 南太平洋のクック諸島とニウエ。
④約20カ国の承認を受け事実上、国家として機能している台湾(中華民国)。
⑤40以上の国連加盟国による承認を受けているが、地域の大部分を占領されているサハラ・アラブ民主共和国(西サハラ)。
⑥独立宣言をし、欧米をはじめ多くの国の承認を受けつつあるが、国連加盟などの見通しが立っていないコソボ。

以上の合計が200カ国である。このほか、以下のような国に準じた存在があり、これらを国と呼ぶ人がいてもおかしいとはいえない。

◎トルコ以外の国連加盟国より承認されていない北キプロス・トルコ共和国。
◎いずれの国連加盟国より承認されていないが、アブハジア、沿ドニエストル、ナゴル ノ・カラバフ、南オセチア(上記は旧ソ連)、ソマリランド。
◎実態はないが、107カ国と外交関係を持っているマルタ騎士団