あなたはテレビや新聞が報じる内容を鵜呑みしていませんか? 背後に中国共産党の影が忍び寄っていることに気づいていますか? プロパガンダ機関に成り下がったメディアの実情、そして狡猾に仕掛けられた罠……。テレビ、ラジオなど幅広く活躍中のケント・ギルバート氏に、メディアが仕掛けてくるプロパガンダのからくりと、その見抜き方について解説してもらった。

本記事は、ケント・ギルバート:著『プロパガンダの見破り方』(清談社Publico:刊)より一部を抜粋編集したものです。

年齢が上がるほど左派的になっていく日本のメディア

私は日本のマスコミはすっかり公平性から遠ざかり、ウソばかりを流し、調査もろくにしていないと考えていますが、だからといって急にメディアが反省し、見違えるようにいい仕事を始めることも考えにくく、しばらくは「メディアとは一方的な見方ばかりするものだ」と割り切って接していくより、しかたがないと思っています。

NHKや朝日新聞を見て、「それが正しい情報だ」、「そこから流れてくる見方や考え方が正義なのだ」と無批判に受け取ることはやめたほうがいいでしょう。もっとも、裏を読み、批判しながら朝日新聞を解読する行為は、それはそれでなかなか刺激的で、おもしろい知的ゲームでもあります。

▲ケント氏は日本メディアの現状を実例で解説してくれた

もうひとつ、別の角度から日本のマスコミが陥りやすいプロパガンダの危険性を考えておきます。日本人の多くはおそらくこう考えているでしょう。「就職先として人気が高く、大企業として名が通っているメディアは、非常に入社が難しく、同時に優秀な人材が集まっている」と。

しかし現時点で、メディアで働いている人、編集権を行使できる立場にいたりする人が、本当に「優秀」なのかというと、案外そんなこともないだろうというのが私の印象です。いくつか例を出しましょう。

私が知る、ある民放キー局のディレクターが、番組放送前のカメラリハーサルをしているとき、まだ来ていない識者の代わりにスタジオの席に座って、識者の役を演じながら、こんなことを言ったそうです。

「安倍さんは本当にすごいと思いますよ。野党のモリカケ(森友学園、加計学園問題)だのなんだの、ああいうのはめちゃくちゃですよ」

もちろん放送されているわけではなく、テスト用にしゃべっただけであり、内容もほんの雑談レベルです。しかし、この様子をサブ〔副調整室、放送全体を見通して指示を出したりカメラを切り替えたりする部屋〕で見ていたプロデューサーが、すかさず飛び出てきて、このように叫びました。

ちょっと! そんなことっちゃダメだ!」

それがプロデューサーの信条であり、同時に番組の「方針」なのです。番組づくりにおいてプロデューサーは絶対的な存在ですから、ディレクターは逆らえません。

放送現場でも、若いスタッフであれば、政治的公平性をおもしろい議論に結びつけ、エキサイティングな番組づくりに生かしたいと考えている人もいます。しかし、テレビのスタッフは一般的に年齢が上がるほど左派的で、上司である彼らはそういう番組づくりを好みません。

ここで、私たちが「やはりマスコミというのは、ろくでもない連中だ」と考え、批判するのは簡単です。しかし、私は問題の本質はもっと先にあると感じます。