【タイプ5】逆ギレする保護者

小学校2年生のCくんは数度にわたり、苦手な算数の時間に教室を飛び出して砂場で遊ぶことを繰り返していました。追随して数人の子どもも砂場に行き始めたので、このままでは授業が成立しなくなることを懸念した学級担任が、母親に連絡をしました。

そうしたところ「うちの子は、このとき算数でなく、砂場遊びをしたかったのです。こちらの学校では、子どもの個性は尊重してくださらないのですか!」と返ってきました。

教師が食い下がると、母親は「そういうことしているの、うちの子だけじゃないでしょう! なのに、なぜうちだけ言われなくちゃいけないんですか!」と逆ギレされたと言います。

またある小学校では、授業参観中の親の態度があまりにひどいので名指しで注意をしたところ「みんな騒いでいるじゃないですか! なのに、どうして私だけ注意するんですか!」と反論されたといいます。

「どうして私だけ……」というもの言いは、小学生の児童が言い訳をする時に多用するものです。このままでは指導にマイナスになると考えた教師が「ほかの人がしゃべっているからといって、しゃべっていいわけではないでしょう!」とその親を諌めると、またまた「だから、どうして私だけ!」と逆上されたといいます。

売り言葉に買い言葉。こうなると、あとで困るのは「お前の母さん、すごいな」とクラスメイトから、からかわれる子どものほうであることは言うまでもありません。

▲後で困るのは子どもです イメージ:PIXTA

【タイプ6】家で子どもに教師の悪口を言う保護者

テレビをはじめとするマスコミで、セクハラ教師、体罰教師の問題が報じられると、保護者が子どもに向かって「◯◯ちゃん、担任の先生大丈夫なの? なんか、スケベな顔してるじゃない、今度の担任の先生」などと言ったりします。これでは、子どもの教師への信頼が損なわれ、指導がしづらくなります。

また「そもそも学校の先生って常識がないし、子どもっぽい人が多いのよね! 何かあったらお母さんに言うのよ。教育委員会に訴えてやるから」といった言葉を、子どもの前で口にしてしまう保護者もいます。

当然、子どもは教師を軽蔑しだし「先生の言うことなんて聞かなくていい」と思い始めます。教師の指示が入りづらくなってしまうのです。

【タイプ7】集団で教師のバッシングを繰り返す保護者

ある公立小学校では、学校に批判的な親十数人が、LINEのグループでやりとりをしているうちに、不満がヒートアップ。数人の親が校長室に乗り込んできて「即刻担任から下ろすように!」と直談判しました。騒ぎが大きくなるのをおそれた校長が一時的に担任を外したところ、ショックを受けた担任は、それが原因で精神疾患に陥ってしまいました。

このように保護者集団からのバッシングで、休職や退職に追い込まれる先生は少なくありません。

ここに紹介した「困った保護者」はごく一握りの保護者のことです。もちろん大半の保護者は子どもを愛する、きちんとした方です。しかしながら、今こうした「困った保護者」たちからの攻撃に心を傷つけられ、管理職からも守ってもらうことができずに心を病み、休職などに追い込まれている教師が増えているのです。

「まさか自分が!?」と思われている保護者の方におかれましても、いま一度教師との付き合い方を考えるきっかけとなりましたら幸いです。