かわいい我が子のためにも、担任の教師とはうまくやっていきたい――。そう考える親が大多数であろう。しかし「現場教師の作戦参謀」として活躍する諸富祥彦氏によると「先生方から『困った親』について相談されることは少なくない」という。モンスターペアレント認定されないためにも知っておきたい『困った保護者』の7タイプとは?
※本記事は、諸富祥彦:著『教師の悩み』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。
現場教師に嫌われる「困った親」7タイプ
私がスクール・コンサルタントとして活動するなかで、先生方から「困った親」について相談されることは少なくありません。
その実態はさまざまですが、先生方の相談を受ける中で見えてきたのは、以下の7つのタイプです。
【タイプ1】クレーム好きの保護者
あるお子さんが風邪をひいて休みました。先生が学級で「Aさんは今日は風邪でお休みです」と言ったところ、Aさんの親ではなく、同じクラスのほかの子どもの保護者が「教師がみんなに欠席の理由まで伝えるのは、個人情報保護に反するのではないか」と訴えてきました。
このように、ほかの子どもについて、細かなことまでいちいち干渉してきて、教師を振り回すクレーム好きな保護者がいます。
【タイプ2】学校任せの保護者
自分の息子が箸をきちんと持てないことに気づいたお父さんが「箸もまともに持てないなんて、いったいどんな給食指導をしているんですか」とクレームをつけてきたことがありました。特に最近、父親から過剰に学校の責任を問うクレームが増えているようです。「箸の持ち方」を教えるべきなのは誰でしょうか。
【タイプ3】依存的な保護者
ある子どものお父さんが、担任の女性教師に「うちの妻、洗濯物もまともに干せないんです。今度うちにきて、妻に洗濯物の干し方を教えてやってもらえませんか」と依頼してきたそうです。
ほかにも、自分の愛車の近くで遊んでいる子どもとその友達に注意ができず「先生、うちにきて、もっと車から離れて向こうで遊ぶように注意していただけませんか」と依頼する保護者もいました。
【タイプ4】子どもを溺愛する保護者
Bくんは、算数の時間のたびに砂場に遊びに行ってしまいます。何度注意しても聞かないので保護者に連絡すると「だって、うちの子、かわいいでしょ。私、叱る気になんて、とてもなれなくって!(♡)」と言われてしまいました。