年頃の子をもつ親なら誰もが心配する「子どもの進路」。我が子がどうしても行きたいと懇願する志望校があるのに、担任の先生から「高望みすぎます」と言われたらどうすればいいのか……。スクール・コンサルタントであり、心理カウンセラーとしても活躍する諸富祥彦氏が提示する“一番大切なこと”とは――。

本記事は、諸富祥彦:​著『教師の悩み』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

志望校選定で意見が合わない時どうする?

保護者は、学級担任の先生にさまざまなことを相談します。中学校や高校の先生への相談でもっとも多い内容のひとつは、「子どもの進路について」だと思います。

多くの中学校では、子ども・保護者・担任の三者による「三者面談」、子どもを交えないで保護者と担任で行う「二者面談」、校長と保護者が直接面談する「校長面談」など、さまざまな形で面談の機会を設けています。

このような複数の面談の機会を設けることによって、保護者も担任も子ども自身も「みんなが本当に納得のゆく進路選択」ができるように工夫しているわけです。

進路相談においてしばしば見受けられるのが、子どもと保護者が選択した進路について、担任から「それは高望みすぎます。無理ですよ」と言われるケースです。

▲志望校選定で意見が合わない時どうする? イメージ:PIXTA

結論から言うと、その場合は8割がた先生の言う通りにしたほうがうまくいくようです。

中学校の先生方は進路について多くの情報を共有していることが少なくありません。やはり「情報量の多さ」という点では、多くの保護者は学校の教員にはかなわないものです。ですので、中学校教師の「合否の予測」は当たることが多いのです。

それでも親として悩ましいのは、子どもから「どうしてもここの学校に行きたい。諦めがつかない」という強い希望があるのに、担任からは「それは無理だ」という答えしか返ってこない場合です。

このようなときどうするか。担任のアドバイスに従って最初から諦めるべきなのでしょうか。