泣いている?おやすみ? 😪絵文字の意味
ふたたび、しずく系絵文字に戻ります。他にも海外ではなかなか通じない絵文字に😪があります。ユニコードでは「Sleepy Face Emoji」として収録されていて、日本語では「眠い顔」の絵文字と呼ばれています。このしずくは鼻ちょうちんです。
これもまた漫画から来ている日本特有の表現ですが、外国人にとっては難解な絵文字の一つです。ただの汗よりもさらにハードルが一段上がります。汗は誰でもかいたことがあるので、なんとなく想像がつきます。
でも鼻ちょうちんは小さい子どもは別として(赤ちゃんとかは本当に出しますからね)、現実社会の大人で出している人を見たことがありません。どんなものか試しに自分で出そうとしても……難しいですね。
この絵文字😪は、日本語のツイートを見ると「眠い」「おやすみ」といった意味でよく使われています。反対に英語でのツイートを見ると「悲しい」「疲れた」「泣いている」といった意味で登場することが多いです。周りの外国人の親戚や友だちに聞いても「悲しそう」「泣いているようにしか見えない」と、鼻ちょうちんを「涙」として解釈します。
欧米では「眠い」とか「寝ている」状態を、💤といういびきの絵文字で表すのが一般的で、鼻ちょうちんとは結びつきにくいと思います。しかも、鼻ちょうちんの絵文字をよく見てみると、黄色い顔の絵文字には鼻自体がないのです。💧は目から出ているように見えますね。そういう意味では「z Z」を加えたSamsungのデザインが一番分かりやすいかもしれません。
このデザインを見ると、水滴の配置だけではなくて、向きにも問題がありそうです。日本の漫画を見ると、鼻ちょうちんの向きはまっすぐか上ですが、アップルやツイッターのデザインですと、下に垂れていて涙っぽいです。
ちなみに、図3は2018年3月時点での各社のデザインですが、Facebookは同年12月に絵文字のアップデートをして、鼻ちょうちんのデザインは形も向きもかなり改善されて、分かりやすくなりました。
今回はしずくの付く絵文字について書いてきましたが、このような細かいところでも文化の差異が見えて、日本の漫画文化と絵文字の繋がりが見えてきました。次回も絵文字の使用に見る文化の違いについて語ります。お楽しみに♪