「インターホンの“真下”に置いてください」という指示

▲これがインターホンの真下 イメージ:PIXTA

5月のある日、ランチタイムにとあるマンションまで運んだときのことです。「インターホンの“真下”に置いてください」という指示に違和感を覚えました。

新型コロナウイルス感染拡大により、この春から新しく始まった、玄関の前に商品を置く「置き配サービス」。利用者がこのサービスを選択すると、配達員のアプリには「玄関先に置く」という指示が表示されるのです。なので、これを見たときは「なぜ、わざわざ注意書きでも指示するのか」と首を傾げたのですが、お客さんの家まで行くと納得しました。

まぁよくよく考えたら分かることなのですが、日本の住宅の玄関のほとんどが外へ向けて開く「外開き」のドアですよね。おそらく「玄関の前に置く」という表示を見て、その指示通りに配達員がドアの前に置いたため、商品を取ろうと扉を開けたらスープがこぼれた、ドリンクがこぼれた。そんなトラブルがあったのでしょうね。

確かに、指示されたインターホンの真下におけば、ドアを大きく開いても絶対に当たらない位置。そんな理由から、わざわざ「インターホンの真下に」なんて指示を出したに違いありません。独り納得し、ほくそ笑んでしまいました。

「ドアにぶつからないように置くのが当たり前」というご指摘もあるでしょうが、配達員は、スマホで配達員用アプリをダウンロードするだけで誰でも始められる仕事。サービス業経験者なら当然気にすべきことにも、気が回らない人が多いのだと思います。

▲建物の入り口に起き配するツワモノも イメージ:PIXTA

その数日後の夜、表示されて思わず笑ってしまったのが「マンションの入口でインターホンを鳴らして建物に入ってください。そのあと8階の部屋の前に来て、インターホンの真下あたりに商品を置いてください」という注意書きです。

「インターホンの真下に置いてください」というメッセージの理由は、先ほどの経験から理解できます。しかし「インターホンを鳴らして建物に入ってください」という指示の理由はどうでしょう?

これはマンションの1階、そう、建物の入口にあるインターホンの下に料理を置いて帰った、ツワモノ配達員がいたことを示しているに違いありません。普通だったら起こるはずがないアクシデントが起こるのが、ウーバーイーツの配達なんですよ(苦笑)。

さらにこの日の深夜に表示されたのが「407号室のドアを正面に見て、左側が406号室です」という謎の注意書き。港区にあるオシャレなマンションに向かい、エレベーターで4階に上がると、各部屋の扉のところに部屋番号が書いてあります。ところが、その数字のフォントがオシャレというか、個性的というか……筆記体のような数字が非常に読みづらく、特に6と8の見分けがつきません。配達員が何度も間違えたので、このような注意書きを書いているのだと納得しました。

ちなみに、ウーバーイーツの配達員は外国籍のドライバーも多いため、注意書きはなるべくシンプルな日本語で指示するのがオススメ。自動翻訳機能で変換されるので「1階に100均が入ったビル」といった、外国人に伝わりづらそうな略語を使うと配達に時間がかかる可能性があります。

書いた文章を一度英語に変換、その英語をさらに日本語に変換したものを見て意味が通じるレベルの文章なら、すべての配達員に問題なく伝わると思いますので、一度試してみてください。

『アラフォーUber Eats配達員 激走日記』は次回8/7(金)更新予定です、お楽しみに。