イタリア人のシェフだったら、どうするかな?
Ropia アクアパッツァ出身のシェフってたくさんいて、全国にお店を出されているお弟子さんがいらっしゃると思います。このお店で働かれていた修行時代、独立した方々が他の方とは違っていたなっていうのはありますか?
日 髙 それはありますよね。独立しても店を閉めた人もいるし、この世界もなかなか難しいですから。ちゃんと成功している人っていうのは、やっぱり人と違うものがありましたよね。各々。将来を見据えているというか、そういう動きもありました。そして任せた仕事、そのセクションはきっちりこなしていた。そういうことはまず絶対ですよね。
Ropia 僕もメインのYouTubeチャンネルとは別で、将来独立したいと思っている若い世代に向けて、僕がわかる範囲で飲食業界の話をちょっとしているんですけど、自分の目標を達成していく子っていうのは、やっぱり修行時代から先を見据えているような気がします。
日 髙 最初から自分のお店を持ちたいっていう人もいるわけですけど、自分の料理を作りたいっていうモチベーションがあれば、自分のお店、もしくはどこかのシェフとして、サービスのトップとして、ちゃんとやっていますよね。
Ropia それではメニュー作りについても、ちょっと聞かせてください。伝統的な料理と、前衛的な料理をイタリア料理店として出す場合に、その線引きって言うんですかね。どこまでをイタリア料理にするかっていうのは、ご自身で決められていらっしゃいますか?
日 髙 私は“日本の食材を生かしたイタリア料理”をずっとテーマにしています。四季折々で手に入るものをベースにして、イタリアの調味料だったりオリーブオイルとか、バルサミコとかパルミジャーノとか、そういうものを合わせたメニュー作りを心がけています。線引きとしては、日本の食材を使った時に「イタリア人のシェフだったら、どうするかな」とイメージするんです。
Ropia なるほど。
日 髙 たとえば、うちに海苔のパスタっていうのがあるんですけど、海苔を上からかけて明太風に食べるパスタも美味しいんだけど、イタリア人だったらひょっとしたら海苔をソースにするんじゃないかとか、じゃあ溶かしてみようかなとか。そういった発想を心がけていますね。
Ropia なるほど。それで以前に頂いたことのある、海苔クリームパスタが生まれたんですね。
>>> 第3回に続く
〇『イタリア料理界の巨匠 日髙良実シェフ【対談動画】 アクアパッツァ』
※本記事は、YouTube『Chef Ropiaチャンネル』でアップされた動画『イタリア料理界の巨匠 日髙良実シェフ【対談動画】 アクアパッツァ』を再編集したものです。