イタリア料理店「リストランテ・フローリア」オーナーシェフであり、YouTuberとしても活躍するChef Ropia氏が初の著書『極上のおうちイタリアン たった3つのコツでシェフクオリティー』(小社刊)を上梓した。イタリア料理界の巨匠である南青山「アクアパッツァ」シェフ日髙良実氏との豪華対談。アクアパッツァ採用の流儀は、すべての飲食店が参考にすべきかもしれない。

入店希望者はまずは3日の修行から

Ropia イタリアンの巨匠・日髙シェフにお話しを伺っています。『アクアパッツァ』は、こちらの青山が本店ですが、厨房スタッフは何名ぐらい働いていらっしゃるんですか?

日 髙 今は14名かな?

Ropia やっぱり多いですね。アルバイトさんもいらっしゃいますか?

日 髙 アルバイトはいないです。支店の『横須賀アクアマーレ』の方は、パートさんに来てもらっていますが。

Ropia じゃあ先程一緒に賄(まかな)いを食べていたのは、みんな社員の方。

日 髙 社員ですね。

Ropia そうなんですね。新しく雇用するときは、みなさん面接ですか?

日 髙 希望者が来たら3日間研修してもらうんです。とりあえず3日間入ってもらって、我々もその方の人となりを見ますよね。別に、そこで料理できるかは期待していなくて、挨拶ができるかとか、ちゃんと見るものを見ているかどうか、この店でしっかりやろうと思う気持ちがあるかを確認させてもらいます。

Ropia じゃあいわゆる、履歴書くださいって形の面接ではない?

日 髙 まず体験ですよね、3日間。半日で嫌だなって思ったら、それでいいからちゃんと言ってくれっていう感じで。

Ropia なるほど。例えば10人来たら、実際どのくらい残りますか?

日 髙 いや~、年によりけりですよね。本当に。

Ropia ただでさえ料理業界って、入っても辞めちゃう方が多いじゃないですか。でもそうした現場を見れる機会は、働く側にとってもきっといいステップになるというか。もし自分には無理だなって思ったら、辞めていくと思うので。一度入られた方は結構残りますよね?

日 髙 いや、それがそうでもないんですよ。まあでも去年は……残ってるな。ただ連鎖反応がある。一人辞めていったら、ぽろぽろぽろっと辞めていったりとか。みんな頑張っていると頑張る。

Ropia 仲間意識じゃないですけど、連なっている部分がありますよね。テレビに取材もされたという未来の巨匠。挨拶きちっとされていますし、ひとつひとつの仕事も丁寧ですよね。

日 髙 ありがとうございます。