風野 又二朗――そして、緊急事態宣言が終わり、ドラマや映画の撮影がリスタートしました。今、現場はどういう事が起きているのか、教えてもらえますか？
各テレビ局、映画の現場で、さまざまなガイドラインが作成されていましたが、全て同じ基準ではなかったんです。なので、感染症学会の看護師さんに来て頂いて、専門家の視点から講義をしてもらいました。１人１人がどういう事に気をつけなければいけないのか、ちゃんと共有してから撮影を再開しないといけないと思いましたので。現場では、衛生担当者が検温や消毒などを徹底しました。特に靴の消毒大事です(笑)。
――前の撮影と違うなというところはありますか？
もちろん、前と全く同じようにはできません。しかし、講義を受けたことで、スタッフ個々が気を配ってくれました。スタッフ同士で消毒の声がけしたり、換気も徹底したり。私もなるべく俳優さん達に集中してもらえるように、スケジュール管理には気を配ったつもりですが、スタッフ、キャスト１人１人が本当に気をつけてやって下さいました。
――撮影の演出にもそれは影響していきましたか？
ソーシャルディスタンスを取らなければいけないという事を、作品にどこまで反映するかは監督と話しました。そのシーンで人物をどう配置するのか、その距離が近かった時に、見てくださる方がどう感じるのかなど話し合いました。
――例えば今なら、通行人も全員マスクしてますもんね。それはリアルだけど、作品の中でそれが写るとどうなのか、という事ですよね。
そうですね。マスクをして表情が見えないとフィクションの作品として見た時に、お客さんが、この時期にどういう気持ちになるのか、リアルである一方で、息苦しさを感じさせてしまう表現になるのではないのか、とか。
――これからの撮影でも気をつける事はありますか？
感染症対策の情報が更新されていきますので、正確な知識にアンテナを張って、スタッフ個々が共通認識を持って危機管理に取り組むこと。そのための環境を整えることですね。恐れすぎて止めるのではなく、皆で力を合わせて前に進める事に意味があるんじゃないかと思ってます。もちろん、無理はせずに。引き続き専門家の意見も聞きながら作品作りを進めていきたいと思っています。
――高石プロデューサーのこれからの夢はありますか？
最近は国内のテレビドラマも盛り上がっていますし、配信の海外ドラマも豊富ですよね。しかし、日本が外に出ていないなと思うんです。これからは、海外の人とキャッチボールをしながら、主に連続ドラマや映画を作って、海外に発信していきたいと考えています。合作とかも良いですね。夢というよりは、自分がやらなきゃいけない事なんじゃないかなと思っています。
――ジーンとしました。風野又二朗はL.Aを拠点にしてるプロデューサーな訳ですけども、ハリウッドは興味ありますか？
あります(ものすごく真剣な眼差し)
――風野又二朗はハリウッド俳優を誰でもキャスティングできるという、【噂】があるんですけど、どなたと作品を作りたいですか？
さすがですよね！僕は、アン・ハサウェイの大ファンなんです。アン・ハサウェイをキャスティングできるんですか？
――ああああ、ハサウェイね。ハサウェイできますね、たぶんね、できます、ね。ハサウェイはもう、たぶん、はい(汗)。【マイ・インターン】のハサウェイが大好きです。そしたら、いつか、アン・ハサウェイと作品を作りましょう！高石さんプロデューサーで！
いやいや、そこは風野さんでしょ(笑)
今回は、高石明彦プロデューサーに来て頂きました。リニューアルの１発目に参加してくださって、気がつけば３時間もインタビューしていました。いつ会っても必ず何かと戦っていて、新しくて面白い事に挑戦している方です。安全地帯を歩いている姿を見た事がありません。そんな高石さんが作る作品を、これからも楽しみにしています。エンドクレジットでお名前を見かけた時は、この対談を思い出してもらえると嬉しいです。ありがとうございました。
それでは、又、風の吹く日に。