こんにちは!

東京とL.A.を行ったりきたりしながら、ディレクション、プロデュースの仕事をしています。風野又二朗です。

前回から、リニューアルを致しまして、今エンターテイメントの最前線にいる人たちは、この状況下でどんな事を考えて、そしてどんな行動しているのかを掘り下げていく連載コラムを書かせて頂く事になりました。

▲風をあつめて、巻き起こす

ドラマや映画を手がける、高石明彦プロデューサーに出て頂いたのですが、盛り上がりすぎてしまい、前後編に渡ってお届けする事になりました。

前編では、映像のプロデューサーとは?そして、実際に映画『新聞記者』の製作過程も少しお話して頂きました。後編は、今年の話、このコロナ禍が起きてからの事を中心に聞いていきたいと思います。

▲高石明彦
株式会社 The icon 所属のプロデューサー。バラエティ、ドキュメンタリーのディレクターを経て、現在は、さまざまな映画、ドラマのプロデュースを手がける。『あのコのトリコ』『CHEAT チート』『彼らを見ればわかること』『教場』など。映画『新聞記者』では、プロデューサーの他に脚本も執筆。

――高石さん。前回に引き続きよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

――新型コロナウイルスの影響で、4月7日に緊急事態宣言が出ました。このあたりは、何か撮影に入られていたんですか?

4月10日にクランクインする作品の準備をしていたのですが、テレビ局の方達と協議して、キャストやスタッフが不安な気持ちを抱えたまま撮影する事はできないという判断で、4月3日に撮影の延期を決定しました。

――緊急事態宣言という状況を受けて、どう思いましたか?

緊急事態宣言という言葉も初めてだったし、ネットで調べました(笑)。家族からは、家から出るなと言われて(笑)、仕方なく自粛生活を送っていたんですけど、だんだんとこの状況はまずいなと思ってきました。

――エンターテイメント業界の事ですか?

そうです。エンターテイメント業界というのは、生活に根付いているようで、実は必要ないものと思われてしまうんじゃないかと、怖くなりました。

――分かります。僕も今できる事は何なのか毎日考えてました。高石さんは、Twitterを使って作品を作られてましたよね?

はい。映像を作るのはカメラマンがいないので難しいなと思って、同い年の脚本家、矢島弘一くんに電話をしました。思いつきだったんですけど、毎日Twitterを媒体としてリレー形式で脚本書いたらどうだろう?と提案したら、面白い!てなって。そしたら、矢島くんが「2人じゃなくて、人増やさない!?知り合いに声かけてみようよ」と。7人の脚本家が集まりました。皆さんも何か発信しなければと考えていて、一か八かやってみようと。

――僕も見てました。毎日脚本がネットに上がっていくのが新鮮だし、不思議で面白かったです。内容もくるくる変わってそれぞれの作家さんによって、SFにもなったり面白かったです。

打ち合わせは無しで、テーマとタイトルだけ決めて書き始めました。期間は企画発案の2日後の4月10日から、緊急事態宣言が終わると言われていた5月6日まで。リレーで脚本を書いていくというのはやった事がなかったので、できあがりが想像できなかったのですが、やってみたら脚本創作上、物凄く沢山の発見がありました。反響も凄くて、ライターとして参加していた水野美紀さんが朗読劇やりましょう!と。そこから皆さんでお声がけして、俳優の皆さんもやってみよう!と集まって下さって。YouTubeでラジオ的な配信をしました。

――滝藤賢一さんや内田理央さんなども参加されてましたよね。びっくりしました。朗読劇になった事で、脚本に血が通ったなと思いました。面白かったです。

ありがとうございます。タイトルは『僕の緊急事態宣言』。俳優も演じ手もそれぞれが、今の緊急事態と向き合いながら 創作していたと思います。

 出演:滝藤賢一、内田理央、本多力、馬場園梓、福澤重文、本井博之、西山聡 矢島弘一 / 井之脇海、いとうあさこ、坂井真紀、水野美紀

脚本:高石明彦、田中眞一、矢島弘一、水野美紀、山田能龍、ブラジリィー・アン山田、清水友佳子