胸のアツさを感じながらもう一杯

▲隣のお客さん。おいしそうに飲みますね

口の中でカツオの旨味を抱きしめたら、酎ハイで流し込む。カツオに酎ハイ。これを繰り返すと酒が止まらなくなる。明日の朝、足が傷んだらどうしようかなと思ったけど、そんな不安も一緒に酎ハイで流し込む。うん。魚介には、やはり酎ハイが一番だと思う。

横を見たら、こちらもおいしそうにビールを飲む常連さん。もともと酒屋の客で、店主が配達にもお邪魔していたそう。その縁もあって、週に何度か足を運ぶんだとか。落ち着いた雰囲気の常連さんの横には、うら若き学生さん。みんなが楽しそうに飲んでいるから、これはいい店だと思った。

▲記念に一枚。恥ずかしがり屋の常連さんは隠れちゃった

人見知りの私ですが、気がつけばお隣の若者たちとも仲良くなってしまった。このスピード感は、やはり若い店主のつくるアットホームな雰囲気のなせるわざ。ノリがいいのとは違う、懐が広いのとも違う、柔軟性が高いんでしょう。

▲応援団や体育会の学生も御用達

2杯3杯とグラスを重ねていると、今度は現役の学生たちがやってきました。試合帰りだったようで……

「何を飲むの?」
「今日は試合に負けたから酒を抜きます。カルピスで」

私はなんだかキューンとしてしまった。

▲なぜか早稲田生向け動画の撮影が始まりました。校歌を歌う店主

年を重ねると、若者の真っ直ぐさに簡単に胸を打たれる。

スポーツに青春を捧げた若者を、私は美しいと思いました。この店の若者たちは、真っ直ぐな子たちばかり。だから、おっさんたちも気持ちよく過ごせる。そして、おじさんたちもみんな品がいい。それは早稲田がいい街だからでしょう。

▲若々しい男女のペア。関係が気になる

さて、学生気分を取り戻したところでお会計。なんだかラーメンが食べたくなってきたな。近頃は学生街からとんと足が遠のいていたけど、この街にしかない風景、そして店があるんだって思うわけです。

ついでに愛校心まで取り戻した私は「若き血」を歌いながら帰路を急いだのですが、だめだ歌詞が思い出せない。年を重ねるのは嫌だねえ。でも、今はスマホがあるから、これで歌詞を調べて、いや、動画を流せばいいんだな。いやあ、いい気持ちだ。また遊びにきますね。

さて、次はどの店へ行こうかしら。ふらりふらりと次の街へ。

『立ち飲み・マイ・ラブ♡ - 痛みに負けるな!-』は、次回10/23(金)更新予定です。お楽しみに!!

〈店舗情報〉
■早稲田 居酒屋もちだ
住所:東京都新宿区西早稲田3-1-3
電話:080-3965-4641
営業時間:月・火・水・金18:00〜23:00、土・日・祝17:00〜23:00
定休日:木曜日
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店前にご確認ください。