大人として、“若者の政治離れ”などと言って、若者に責任を全部押し付けるのではなく「どうすれば、若者と政治を近づけることができるのか?」ということを、模索し続けていく必要がある、とSNSで話題の“せやろがいおじさん”が叫ぶ。若者が政治に興味をもってもらうために必要なこととは?

※本記事は、せやろがいおじさん:著『せやろがい! ではおさまらない -僕が今、伝えたいこと聞いてくれへんか?-』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

「若者の政治離れ!」は大人の自己満足に過ぎない!?

▲若者と政治を近づけることができるのか模索してこ~

よく、“若者の政治離れ”などと言って、人生の先輩方が若い人を非難する場面を目にすることはありませんか? 僕は、いくらこのお決まりフレーズを使って批判したところで、若者が政治に興味を持つようになることは、絶対にないと思っています。つまり“若者の政治離れ”とは、おじさんたちによる、ただの自己満足説教ワードに過ぎないんです。

諸先輩方におかれましては「俺は大人で、政治に興味がある、ちゃんとした社会人だ。それに比べて、お前らは?」的な、若者を“嘆かわしい”ポジションに置くことで、自分は“ちゃんとした”ところにいるような、優越感を感じたいのかもしれません。

しかし残念ながら、多感な時期で感性が非常に研ぎ澄まされている若い人たちは、大人たちの「自己満足」を敏感に見抜いています。おじさん、おばさんたちの「自己満足プレイ」に付き合ってなどいられるか! ということで、余計に政治から離れていくわけです。

過去に作った動画の中でも言ったことですが、若者は政治から離れているのではなく、近づいた経験がないだけ。おじさんたちを含む我々大人としては、“若者の政治離れ”などと言って、若者に責任を全部押し付けるのではなく「では、どうすれば、若者と政治を近づけることができるのか?」ということを、模索し続けていく必要があるんです。それこそが、大人たちの仕事と言えるのではないでしょうか?

大人の『鬼滅』離れと若者の“政治離れ”

とはいえ、とりあえず今の我々ができることとしては、やはり、“伝える”ための言葉を模索していくこと。そのためには、一度、逆の立場になって考えてみると良いかもしれません。たとえば『鬼滅の刃』という超人気漫画がありますね。「えっ。まさか『鬼滅の刃』を読んだことないの!? まったく、最近の大人の『鬼滅』離れは深刻だ……」なんて言われても「いや、離れるもなにも、そもそも『鬼滅の刃』に近づいたことないし」「読んでいなくても、別に生きていけるし」と反発して、余計に読む気がなくなるのではないでしょうか。若者の政治離れも構造としては、まさにこれと同じなんです。

では、どのような言葉で伝えれば『鬼滅の刃』に興味を持ってもらえるのか? まず、大人でも知っているような話題で“惹きつける”必要があります。

たとえば「今、あの『ドラゴンボール』よりも、売れているコミックがあるんですよ」といった具合です。おじさん世代でも、さすがに『ドラゴンボール』なら分かりますよね。そこで、さらに「その『ドラゴンボール』より売れてるのが『ワンピース』なんです」と。「おお『ワンピース』なら聞いたことがあるぞ」という流れを作ることができたなら「実は、その『ワンピース』さえも超える勢いがある、超絶人気爆発のコミックが今出てきているんですよ!」と畳みかける……。

そうすることで、大人でも「何それ、どんな漫画!?」と、話題に対して前のめりな姿勢を作ることが、できるのではないでしょうか。これと同じ具合に、“若者の政治離れ”と批判する前に、若者を政治と関連のある話題で、惹きつける必要があるわけです。