昨今、関西ローカルの情報番組での率直な物言いが支持を集める、お笑い芸人のほんこん氏。新刊『コロナと国防』(小社刊)でも、コロナ禍であぶり出された政府の限界、マスコミの正体、国防の重要性など、この国の問題点をぶった切っている。そこでNewsCrunch編集部が、ほんこん氏を直撃。新刊の内容に関連して安倍前首相の退陣やSNSの使い方などを聞いた。

安倍前首相への敬意を欠いた記者たち

――まずは、新刊『コロナと国防』の発売おめでとうございます。発売直前に急遽差し替えたという、まえがきでの怒りが印象的でした。安倍前首相の退陣表明会見で、新聞記者から「おつかれ様」という言葉がほとんどなかったことへ「失礼やろ」と。

ほんこん あれはこの7年8ヶ月を象徴する場面やったね。ずっと安倍さんに対する敬意がなかった。記者さんたちからすると、自分と意見が異なる人が政権の長についていたのかもしれない。でも「この国であなたも恩恵を受けてきたでしょ」と言いたいね。出す記事も、記者たるもの客観・俯瞰で物事を見なければあかんのに、自分の感情や主義主張を挟んで書いてたんじゃないの。それ、国民を洗脳してんちゃうかと。先の大戦のように、戦争に導いてるのと同じちゃうんかと。日本はジャーナリズムが成熟していないですよ。

最近ツイッターで、安倍さんに対して主観丸出しで批判ツイートしてる記者さんたちも見る。一般の人だったら別にええと思うけど、記者の人が批判するんだったら、その根拠と「こういう人を支持します」という対案を用意しなければならないよね。

――ツイッターに関連して、最近では「#安倍やめろ」などといったツイッターデモもありました。あの現象はどう見てらっしゃいましたか?

ほんこん まず「やめろ」とか「死ね」は、完全に誹謗中傷。ハッシュタグをつけるにしても「#安倍晋三」だけでツイートすればいいんですよ。そうすれば色んな意見が集まる。理由も書かずに「#安倍やめろ」とやるのは、ただデモを先導して同じ意見のヤツはここに集まれということでしょ。そういうのは全体主義的で気持ち悪いね。

――いま野党は、菅さんの「自助」発言に噛み付いています。「自助とはどういうことだ、自分のことは自分で守れというのか。そんな社会にはしたくない!」と。これについてはどうお考えですか。

ほんこん これは思いっきりブーメランや。2005年に枝野さんも「自助・共助・公助」と言っているからね。まあそのことに対してぼくは責めたりはしません。

▲インタビューでは厳しい言葉も飛び出したが、根底には優しさがある

国があって国民がある、国民があって国があると思ってます。健全な社会というのは個人個人がしっかりしている。そして、自分がしっかりしていなければ周りを助けられないし、経済援助もできない。これは普通の感覚なら分かると思う。だいたい自己管理できない人間の社会なんてしょうもない。ぼくは小学校の時、周りの大人たちに「人に迷惑をかけるなよ」と教わったけどね。あなたたちは「人に助けられろよ」と教わったんですかと。