一流アスリートに学ぶ集中状態のつくり方

朝一番でなかなか頭が働かない、何もやる気がしない、ということを断ち切らなくては、1日の効率は下がってしまいます。また、発想を必要とする仕事は、頭を消耗させることが経験的にわかっているので、やりたくないという気持ちがわき上がり、先延ばしにしてしまいがちです。

さらには、問題解決、苦手な人とのコミュニケーションは、心身ともに消耗してしまうので、もう仕事をしたくないとなってしまうものです。

とはいえ、やりたくないから先延ばしするということでは、社会人失格です。めんどくさいと思うあまり、仕事がうまく進まず、長い時間がかかってしまったわりに、思ったような成果が得られないようではよくありません。

だからこそ、自然と、仕事や勉強モードに入っていくための単純作業を一度行なってみてください。

単純作業は先に挙げたものだけではなく他にもあります。ハガキを書く、資料の封入作業、TODOリストの作成、英語の単語ドリルなど、さまざまなものがあります。なるべく短時間でできて、頭を使わない単純作業を選んで行なってみてください。

一流のアスリートも本番前に単純作業を行なっています。こうして、集中状態をつくり、結果に波がないように準備しているのです。

野球選手なら、ネクストバッターボックスで両ひざを屈伸したり、バッターボックスでバットを立ててバットの方向を見る、アンダーシャツをひじから手繰り寄せる、などのことを行なっています。

これは、頭を使わずに集中モードへ自分を導き、本気モードに入っているのです。一流のアスリートのように、単純な作業を行なって集中のスイッチを入れ、本番に向かっていきましょう。「めんどくさい」「つらい」という感情がわき起こり、なかなか仕事や勉強が手につかないときには、単純作業を行なってみてください。

▲一流アスリートに学ぶ集中状態のつくり方 イメージ:PIXTA

スタンディングデスクも効果あり!

アメリカでは、立ったまま仕事をする人が増えているとよく耳にします。スタンディングデスクと呼ばれ、シリコンバレーなどではこういったスタイルの人が多いそうです。

実は、立ち仕事は集中力を高めます。新しいアイデアを生み出すとき、短時間で仕事を処理したいとき、素早い判断や思考を行なうときなどは、立ち仕事はふさわしいでしょう。考えることが多い仕事や会議などは、座るよりも立ったままのほうがいい結果が得られるものです。

立つと疲れるから座っていたい、という人も当然いるでしょう。しかし、座ったまま仕事をすることは、実は立って仕事をすることよりも負担がかかるとも言われています。立ったまま仕事をすると、座って仕事をするよりも、体に負担がかからずいい効果が期待できるのです。

▲スタンディングデスクも効果あり! イメージ:PIXTA

なぜ、立って仕事をすると集中力が高まるのでしょうか。

それは、立つことが姿勢と足裏に影響を与えるからです。座ったまま仕事をしていると、知らず知らずのうちに猫背になってしまいがちです。しかし、立ち仕事をすることで防ぐことができます。

立つことで、足の裏から体の中心を通り頭の中心までが一直線になり、座っているときより姿勢が良くなります。結果としてリラックス状態も実現できるのです。また、立って足裏を刺激することで、脳も活性化されます。

アメリカの専門家が14年間にわたり、男女12万人の調査を行なったところ、日常的に運動していても1日6時間も座る生活をしていると、3時間しか座らない人に比べて15年以内に死亡する確率が40%増加することがわかったのだそうです。

また、デスクワークが中心の仕事をしている人は、立ち仕事をしている人より、心臓病になる確率も高まると言われています。長時間座った状態で、パソコンに向かって仕事をしている人も多いかと思いますが、立ち仕事にはメリットがあるので、ぜひ試してみてください。