2019年のワールドカップ開催で日本での人気が高まったラグビー。未だ続くコロナ禍だが、徐々に世界のラグビーが動き出している。その中で光るのが元日本代表HCエディー・ジョーンズの手腕。勝ち続ける男が使っているのが「プレッシャーの力」だ。

世界で最も勝利の味を知るヘッドコーチ

日本のプロスポーツ界でも2020シーズンがクライマックスを迎え、ファンも盛り上がりをみせている。また各スポーツの代表戦も世界各地で開催され、選手たちが国民に元気を与えてくれている。

たとえば欧州を中心に人気があり、日本でも2019年にワールドカップが開催されたラグビーもそうだ。その中で存在感を放つのが、元日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ。

現在率いるイングランド代表では、ワールドカップ日本大会で準優勝。また今年に入ってコロナ禍で中断され10月下旬から再開した、欧州6カ国対抗「シックスネーションズ」でも、最終節のイタリアとの試合にしっかりと勝ち、逆転優勝を果たしている。

これでオーストラリア、そして日本での代表指揮時代とあわせて、エディー・ジョーンズがテストマッチ(国際試合)で積み上げてきた勝利の数は100以上。今、世界で最も勝利の味を知るヘッドコーチである。

「シックスネーションズ」参加の6カ国に、フィジーとジョージアが加わり、8カ国で争われる『オータム・ネーションズカップ』。日本も参加を検討していたが、コロナの影響で断念した国別対抗戦だが、その第1節でジョージアに完勝し、第2節もアイルランドを撃破。勢いそのままに優勝が期待される。

▲日本を離れてからはイングランドへ。低迷していたラグビーの母国を再生させた

エディーが使っている「プレッシャーの力」とは?

なぜエディーは勝ち続けられるのか? エディーは「プレッシャー」というネガティブなもの、私たちが避けてきたものをうまくコントロールし、前に進む力としてきたのだ。

選手へのプレッシャー。日本代表時代は早朝5時スタートからの練習も辞さず、肉体的・精神的に強いプレッシャーをかけて鍛え上げた。そのハードワークが「スポーツ史上最大の大番狂わせ」と呼ばれた南アフリカ代表撃破に結実したのだ。

対戦相手へのプレッシャー。口撃、パフォーマンス……勝つためにあらゆるプレッシャーをかけるのがエディー流。印象的なのが昨年のワールドカップで、ニュージーランド代表「オールブラックス」戦。“ハカ”に対抗して、V字型の陣形で取り囲む奇策を打ち、心理面から絶対的王者を揺さぶった。

自分自身へのプレッシャー。エディー自身も選手として指導者として、人一倍挫折を味わってきた。プレッシャーに押しつぶされた過去もあった。しかし成功願望を持ち続け、常に苦しい道を選びここまでやってきた。

「プレッシャーを避けるな、利用しろ」というエディーのメッセージは、アスリートはもちろん、成長したいビジネスマン、チームをマネジメントして結果を出したい中間管理職などにもヒントになるはずだ。

今冬12月21日に発売する著書『プレッシャーの力』(小社刊)で、さらにその秘訣が明かされる。

▲『プレッシャーの力』(エディー・ジョーンズ:著)