遊びの延長で楽しく学べる「探究学習」

続いて「探究学習」について解説しましょう。探究学習とは、ただ教材を開いて学ぶだけでなく、実践を通じて失敗しながら、さらに深掘りしていく学び方です。

集団授業では、解説授業からはじめ、そのあと演習に移りますが、探究学習は具体的な実践からの知識定着を図ります。その順序自体を逆転させるという点に特徴があります。

簡単にいうと「知識定着→演習」ではなく「実践→知識定着」です。

たとえば、電気について勉強するとします。まずは実際に発電所や科学館でフィールドワークをして、社会でどのように電気が使われているのかを学びます。また、モーターを用意して、どうすれば発電するのかについて理科実験をおこなってみます。

さらに、フィールドワークや実験をもとに考えたことを文章にまとめます。このように実践の過程のなかで、教科学習に必要な知識を定着させていくのです。その結果、実際にやってみた思い出(体験)とともに、自然と知識を暗記することが可能になるのです。

探究学習の最大のメリットは、子どもが学ぶことの楽しさを忘れず、遊びの延長で勉強できる点にあります。言葉だけで説明されてはイメージしづらいことも、手を動かし、おしゃべりしながら、ときには走り回ったりして、リアリティのある体験から学ぶことができます。

そして、フィールドワークをしたり、実験をしたりしているうちに、自然とさまざまな場面で試行錯誤することになります。「ここでどうやったらうまくいくのかなぁ?」と頭をひねることもあるでしょう。「考えたことをまとめてみよう」という気になるかもしれません。

このように探究学習では、これからの時代に必要な学力といわれている「思考力・判断力・表現力」を自然とトレーニングすることができるのです。

「反転授業」と「探究学習」。このふたつの学び方を利用すれば、勉強時間を短縮し、応用に時間を費やし、新しい時代に必要な学力も鍛えられる。反転授業と探究学習は、これからの教育の柱となる学び方であると断言してもいいでしょう。

▲遊びの延長で楽しく学べる「探究学習」 イメージ:PIXTA

オンライン学習の第一歩は「検索」

ご家庭で「オンライン学習」を実践する場合は、次のような手順になります。

まず、子どもさん自身がやってみたい問題集や読んでみたい解説書を見つけます。これは紙の本のほうがいいですね。紙のほうが総量を目で確かめられるので、特に小学生には向いています。

その子に合った学習計画を立てて、好きな解説書や問題集を使って学習。解らない問題があったら「無料の家庭教師」であるネットやスマホアプリで、解き方や答えを調べる。こうすることで、子どもが自分から疑問を持ち、調べ、さらに問題を解決していくことができます。あくまでオンライン学習をツールとして使いこなすのです。

ここで最も重要になるのは、自分で検索することができるかどうかです。

子どもが自分から学び、有益な情報を見つけてくるためには検索する力を鍛えていく必要があります。では、どうすれば検索する力を身につけることができるのでしょうか?

その解決策は日頃のネット検索にあります。日常的におこなっているネット検索で検索力を高めておくことが、実はオンライン学習に欠かせない第一歩なのです。